本記事の内容について
トヨタを代表するミドルクラスミニバン「ノア」が、2026年4月に大幅な改良を受けて登場しました。今回の改良における最大のトピックは、パワートレーンのハイブリッド専用化と、全グレードのエアロデザインへの統一です。
本記事では、グレード構成と価格、進化したパワートレーン、外観・内装デザインの詳細、そして実際の見積シミュレーションまで、従来モデルからの変更点を随所に交えながら徹底的に解説します。

グレード構成/パワートレーンについて
2026年モデルの最大の特徴は、標準ボディの廃止です。これによりすべてのグレードがエアロ専用デザインに統一され、ラインナップは以下の3グレードへと整理されました。
- S-Z:最上級グレード
- S-G:中間グレード
- S-X:今回新設のエントリーグレード

車両本体価格一覧
| グレード | 駆動 | 定員 | 車両本体価格 |
|---|---|---|---|
| S-X | 2WD | 7人乗り・8人乗り | 3,261,500円 |
| S-X | E-Four | 7人乗り | 3,514,500円 |
| S-G | 2WD | 7人乗り・8人乗り | 3,700,400円 |
| S-G | E-Four | 7人乗り | 3,953,400円 |
| S-Z | 2WD | 7人乗り | 4,056,800円 |
| S-Z | E-Four | 7人乗り | 4,309,800円 |
価格に関する注意点
S-Zは7人乗り専用であり、8人乗り仕様の設定はありません。後述する上級装備の多くが7人乗り仕様に紐づくため、装備内容を重視する方は購入前に確認が必要です。

ガソリンモデルの廃止によってスタート価格は上昇していますが、装備内容の底上げが著しく、特にS-Xグレードはエアロボディを採用しながら従来の標準ボディに近い価格帯を維持しており、コストパフォーマンスの高い選択肢と言えます。
新型ノアは、トヨタ最新の「第5世代 1.8L ハイブリッドシステム」に完全移行しました。

- エンジン: 直列4気筒 1.8L(最大熱効率40%達成)
- システム最高出力: 140ps
- 進化のポイント: EGR(大量排気再循環システム)の採用や低フリクション化により、軽やかな出足とダイレクトなレスポンスを実現。さらに防音材の最適配置により、車内の静粛性も向上しています

また、E-Four車には新機能「SNOW EXTRAモード」が追加。雪道での発進や旋回時の安定性が高まり、アクティブな家族にとって心強い味方となります。

外観紹介
カラーバリエーションは全4色に集約されました。定番色に加え、トレンドを押さえた新色に注目です。
- 新色: ニュートラルブラック、アーバンロック
- 定番: プラチナホワイトパールマイカ、メタルストリームメタリック

フロントフェイスまわりのデザインは改良によってさらにスタイリッシュに進化しました。
ノアの象徴であるフロントグリルはこれまでのメッキを多用したデザインからメッキモールとボディカラー同色を組み合わせた構成に変更されました。

これによりボディとの一体感が強まり、これまでのエアロデザインが持っていた押し出し感に加えて、洗練度も増しており、従来のノーマルデザインの要素も加わったことで、ノーマルデザインが好みであった方にも受け入れられるデザインを両立している点はさすがといえます。
また、このフロントフェイス周りの質感は全グレードで統一されており、グレードによって質感が異なるといったこともない点はうれしいところです。
ヘッドランプについても目元を強調するデザインが採用されています。
全車にプロジェクター式LEDヘッドランプが標準装備され、そのうえでS-Zグレードにはメーカーオプションでオートレベリング機能やデイライト機能、対向車を検知し、自動的にハイビームを防眩するアダプティブハイビーム機能などのさらに高度なライトユニットがオプション設定されています。

続いてサイドのデザインについてです。
ボディサイズは全長4,695mm、全幅1,730mm、全高1,895mm、E-Four車は全高が1,925mmとなっており、ホイールベースは2850mmとなっています。

サイドのデザインとしては改良前後で大きな変更はありません。
Aピラーが非常に細くデザインされており、いかにも視界がよさそうなデザインがされていることがよくわかります。またCピラーまわりがブラックアウトされており、ルーフとボディが切り離されたようなデザインのため、腰高感が軽減され、ミニバンの中でもスポーティなサイドのデザインであるように感じます。また、サイドに一本のプレスラインがボディ後端まで入っていることで
間延び感も軽減されています。グレードによる質感の違いとして、ウィンドウ下端のメッキ加飾はS-Zグレードのみとなっており、それ以外のグレードに加飾はありません。

ホイールデザインもグレードごとに差別化されています。
S-ZのFF仕様には17インチアルミホイールが装着され、最もスポーティなデザインとなっています。S-GグレードおよびS-ZのE-Four車にはミディアムグレーメタリック塗装の16インチアルミホイールがS-Xグレードには16インチスチールホイールと樹脂フルキャップが組み合わされます。
グレードによってデザイン、サイズが固定されており、オプションなどでの変更も不可となっているため、注意です。

今回の改良のタイミングで実用面での走行性能も向上しており、改良点としてショックアブソーバーの減衰力が最適化されました。これにより路面の凹凸をしなやかにいなし、乗り心地がさらに向上しています。

リアデザインについても改良前後で大きな変更はなく、バックドアと一体化したコンビネーションランプが採用され、ワイド感を強調しています。ランプが横長にデザインされたことと、Cピラーがブラックアウトされていることで、上半分が1枚の大きなガラスのようなデザインをされていることで、目線が下側に集まり、リア側でもどっしり感を演出するデザインとなっています。
また、ピアノブラック化されたパネルにノアのロゴが入っているのが非常におしゃれに感じました。

S-Zグレードではテールランプがバックドア側も点灯する豪華な仕様となっており、夜間の存在感をより強調するものとなっています。


内装紹介
内装紹介、まずはトランク容量についてです。
ノアのトランク開閉ボタンはボディサイドのこのボタンで行うのが特徴で、狭いスペースでバックドアに押されてのけぞると危険なので、それの防止が図られており、任意の場所で止められる機能がトヨタ初採用となっています。


ただこれも注意ですが、こちらのパワーバックドアはS-Zグレードのみのメーカーオプションとなっており、それ以外のグレードには装着できません。
ただ、このオプションを装着しなくても、メカニカルな機構でバックドアの位置を任意の位置でストップできるフリーストップバックドアの機能がありますので、そちらを考慮いただけるといいかなと思います。

トランク容量に関しても改良前後で大きな変更はないため、改良前のモデルを用いて紹介いたします。トランクの容量としては、3列目格納状態ではありますが、非常に広々としており、フロアの高さも非常に低いため、荷物の積み下ろしが楽そうだと感じました。

床下収納も十分な深さがあり、洗車道具などを常備できるだけのスペースがありました。

ノアのラゲージスペースは多人数乗車と荷物の積載を両立するための工夫が凝らされています。
サードシートはワンタッチホールドシートを採用しており、ご覧の通り、軽い力で左右の壁に跳ね上げることが可能です。これにより様々なシートレイアウトが可能となり、自転車などの大きな物もスムーズに積み込むことができます。ラゲージの開口幅は1,100mm確保されており、使い勝手は抜群です。



続いて運転席周りになります。
インテリアカラーについてはS-ZとS-Gがブラックを基調とし、S-Xはダークグレーの設定となっています。

改良点としてS-Zグレードの内装質感が大幅に向上しました。
インストルメントパネルやドアトリムにステッチ加工が追加され、メーターフードには表皮巻きが施されています。また、シフトノブやウィンドウスイッチまわりがピアノブラック塗装に変更され、触れるたびに満足感を得られる仕上がりとなりました。
内装の具体的な質感については改良前のものをベースに改良点を解説していきます。
運転席のドアの内張はこのようになっており、上半分は非常に柔らかいソフトパッドで触り心地がよく、ウィンドウスイッチ周りにメッキ加飾が施されているなど質感高かったです。ただドアノブの触感が少しプラスチッキーだったのが残念でした。良く触るところなので、もう少し質感こだわってほしかったです。ドアの下半分には収納ポケットがいくつかあり、ペットボトルホルダーもついていたため、実用性は担保されています。



ステアリングデザインはこのようになっており、トヨタ共通のスタンダードなボタン配置であり、
左側にオーディオ関係のボタン、右側に運転支援系のボタンが配置されています。
また後程紹介しますが、渋滞時のレベル2相当の運転支援を実現するためのドライバー監視モニターが備え付けられている点が最大の特徴です。

素材としてはS-ZとS-Gに本革巻きがS-Xにはウレタンが採用されており、快適装備であるステアリングヒーターはS-Zグレードのみオプション選択可能となっています。

メーターデザインは今回の改良における大きな進化ポイントです。
最上級グレードのS-Zには12.3インチのフル液晶メーターが標準装備されました。表示内容を自在にカスタマイズでき、視認性と先進性が飛躍的に高まっています。
S-GとS-Xについてもこれまでの4.2インチから7.0インチへと大型化されており、全グレードで大幅な視認性向上が図られている点はうれしいところです。

また、フロントガラス上に様々な情報を投影するヘッドアップディスプレイの装備が設定されており、こちらを装備することでより多くの車両情報を取得することができますが、こちらはS-Zのみオプション選択可能となっており注意です。

予防安全機能は最新のトヨタセーフティセンスを搭載しています。
衝突回避支援を行うプリクラッシュセーフティや前方の先行車と一定の距離を保って追従するレーントレーシングアシスト機能などが標準装備となっています。加えてリスクを先読みしてステアリングやブレーキをサポートするプロアクティブドライビングアシストや、緊急時の操舵支援、車両周囲をカメラにて確認できるパノラミックビューモニター、駐車動作をほぼ車任せで行えるアドバンスドパーク、渋滞時の運転支援を行うアドバンスドドライブなどがオプション設定されており、より安全性を高めることができます。ただし、選択できるのはS-Z、S-Gのみとなっている点は注意です。




また、今回の改良のタイミングで万一の際の装備として、前後向録画機能を持ったドライブレコーダーがS-Zに標準装備、S-Gにオプション設定されました。

ナビ周辺については8インチまたは10.5インチのディスプレイオーディオが設定されています。
S-Zには10.5インチが標準装備され、高精細な地図表示が可能であり、applecarplay、androidautoにも対応していることでお持ちのスマートフォンと連携して各種アプリの操作を行うことも可能となっています。

S-Gには8インチナビが標準装備となっており、S-Xには7インチのディスプレイオーディオが標準装備されており、それぞれオプションでS-Gは10.5インチに、S-Xは8インチナビへと変更可能となっています。ただし、S-Gで10.5インチナビをオプション選択しても、スピーカーの数はS-Zは12スピーカーに対し、S-Gは4スピーカーのままとなっている点は注意です。

ナビの下にはエアコンのスイッチが物理ボタンとして残されており、慣れれば運転中に目線をそらさずに操作可能となっています。

その横にはパノラミックビューモニターのスイッチが配置され、床下が透過したような形で車両の周囲の安全確認が可能となります。この機能は目線が高い故に車両直近の死角が大きいミニバンには必須の装備かと思いますので、ぜひ装備したいところです。


また、スイッチがこの位置にあるのもいいですね。他車種ではステアリング右下に配置されている場合が多いかと思いますが、このスイッチは頻繁に操作することがあるかと思いますので、手の届きやすいこの位置にあるのは良い配慮だと思います。
その下には、パーキングブレーキやブレーキホールドなどの走行時に使用するスイッチがまとめられています。

その隣にシフトノブがあり、この電気式シフトノブはオプションとなっており、S-Z、S-Gグレードのみ選択可能となっています。さらにその隣にはちょっとした小物置きが備え付けられています。


助手席前のスペースにもモノがおけるスペースが設けられており、その隣には運転席と左右対称な加飾とペットボトルホルダーが備え付けられています。このまわりに今回の改良でS-Zにはステッチが入るようになっていることがポイントです。

センターアームレスト付近には二つのペットボトルホルダーが備え付けられており、アームレストの中の小物入れの深さも十分であったため、運転席周りの収納で困ることはないかと思います。


前席のシートデザインは身体をしっかり支える形状となっており、S-Zグレードには合成皮革とファブリックのコンビシートが採用されています。

このシート表皮も今回の改良で意匠変更され質感が向上しています。

クッション性が高く、またファブリックの部分がアルカンターラのような素材であるため、体がずれ落ちることもなく、アームレストと合わせて快適な座り心地となっていました。快適装備としてシートヒーターの設定がありますが、こちらはS-Zに標準装備、S-Gにオプションとなっています。

続いてリアシート周りについてですが、乗り込む前の装備について紹介します。
こちらはユニバーサルステップと呼ばれる装備で、助手席側のみ全グレードに装着可能となっております。元々低床であるため、乗り込みにくく感じることはありませんでしたが、小さいお子様がおられる方でしたら、全グレード装備可能ですので、検討いただいてもいいかもしれません。

また、これまではS-Zのみ、両側パワースライドドアが設定されていましたが、今回の改良のタイミングでS-Gも標準装備となり、S-Xはオプション設定となりました。

リアシートに乗り込んで2列目、3列目の質感についてです。
2列目に座ると、足元スぺ―スの広大さに驚きますが、まずはドアの内張についてです。
ドア内張はこのようになっており、後席の質感は前席には劣ってしまう印象でした。

ドアの上半分はソフトパッドがあしらわれていましたが、それ以外の部分はハードプラとなっており、ウィンドウスイッチの台座などにも加飾はなく、少し寂しい印象です。収納としては、ペットボトルホルダーが備え付けられていました。
足元スペースは非常に広大であり、3列目シートのことを考慮せずにスライドすれば、足を投げ出してもまったく届かないほどであり、不満が出ることはないかと思います。

このキャプテンシートにはセンターにテーブルが備え付けられており、2列目用、3列目用のペットボトルホルダーとUSBポートが二つ備え付けられています。このテーブルの仕様はS-Zグレードのみとなっています。その他の7人乗りグレードにもテーブルはつきますが、USBポートは装備されていません。また8人乗りの場合は格納式のセンターボックスが装備されます。

2列目シートの質感に関しては、運転席同様の質感が担保されており、リクライニングの角度も非常に大きく取ることができるため、長距離移動中も全く苦にならないかと思います。オプションで後席にもシートヒーターの機能を装備できますが、こちらはS-Zグレードのみの装備となります。


続いて3列目に乗り込んでみます。
3列目への乗り込み方としては、このように2列目を前に出す方法とセンターテーブルを折りたたんでウォークスルーする方法があります。

3列目乗り込みました。
足元スペースに関しては2列目と譲り合うことで、確保することが出来そうですが、快適性に関しては2列目には劣ってしまいそうです。やはり跳ね上げ式の方式をとっているため、背もたれのクッションが薄くなってしまっているためだと考えられます。大人が十分座れる空間は確保されていますが、長距離移動の際は、適度な休憩をとりながら目的地に向かうことをお勧めします。



見積シミュレーション
最も人気が出るであろう「S-Z (2WD/7人乗り)」で、フルオプションに近い内容で見積もってみました。
- ベース車両: S-Z 2WD (4,056,800円)
- 主なオプション: アダプティブハイブーム、後席シートヒーター、アドバンスドパーク、パノラミックビューモニター、デジタルインナーミラー等。
- 合計金額: 約4,871,580円



高額な価格帯となってしまいましたが、それでもアルファードのエントリーグレードの価格が510万円からということを考えると装備の充実ぶりを考慮しても納得できる価格であり、ノアの車体サイズが生活にマッチしている方もおられるかと思いますので、コンパクトミニバンというカテゴリのなかでは非常に魅力的な選択肢かと思います。
以上、トヨタ新型ノアのご紹介でした。
今回の改良はデザインの統一感と内装の質感が大きく向上しており、ミドルクラスミニバンの王道としての魅力をさらに盤石なものにしています。ぜひお近くのディーラーで実車を確認してみてください。

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