本記事の内容について
こんにちは、ムラクモです。
先日、名古屋のミッドランドスクエアに展示されていたトヨタ「GR86」の年次改良(一部改良)モデルの実車を確認してきました。
今回の改良では、新色「ソリッドグレー」の復活や、質感を高めたRZグレードの内装、さらに進化したアクセル・ステアリング制御、そして3眼カメラ化された新しいアイサイトの採用など、走りと安全性の両面で確実な進化を遂げています。
この記事では、実車の確認(※今回は乗り込み不可であったため外観中心となります)をもとに、今回の改良ポイント、グレードごとの装備差、リアルな見積もりシミュレーションまで詳しく解説します。GR86の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
- 新型GR86(年次改良)の主な変更点と改良内容
- グレード構成と価格、各グレードの装備の違い
- 2.4L水平対向エンジンのスペックと燃費・維持費
- 新色「ソリッドグレー」を含む外装の特徴とボディサイズ
- 3眼カメラに進化した「アイサイト」など安全装備の詳細
- 最上級グレード「RZ」のリアルな見積もり総額と購入時のポイント
新型GR86の概要
今回の発表内容の概要は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
| 車名 | トヨタ GR86 |
| 発表内容 | 年次改良(一部改良) |
| 主なトピック | 新色追加、内装質感向上、アクセル・ステアリング制御変更、アイサイト3眼化など |
今回の主な変更点
今回の年次改良による主な変更点は多岐にわたります。以下の表に整理しました。
| 改良ポイント | 内容 |
| ボディカラー | 新色「ソリッドグレー」を追加設定(2017年のTOYOTA 86以来の復活) |
| インテリア | RZのブラック×レッド内装の配色を変更(後期型86を意識した配置に) RZのスイッチ類を鋳物ブラック塗装に変更しグリップ性を向上 |
| パワートレーン制御 | スロットルコントロールの制御を変更(踏み込み量に対し直線的な加速へ) |
| ステアリング制御 | 電動パワーステアリング制御を変更(高速コーナーや荒れた路面での安定性向上) |
| トランスミッション | 6速MTのシフトインターロック部の面取りを拡大(5速→4速へのシフトダウン性改善) |
| 安全装備 | アイサイトのカメラを2眼から「3眼」へ変更(超広角単眼カメラを追加) |
この表から分かるポイント:
エンジンの最高出力などのカタログスペックに変更はありませんが、アクセル操作に対するレスポンスやステアリングの安定性、シフト操作の滑らかさなど、「ドライバーが実際に運転して感じるフィーリング」を熟成させる改良がメインとなっています。また、安全装備のアップデートも日常使いにおいて大きなメリットです。
グレード構成と価格
グレード構成は改良前と変わらず、「RZ」「SZ」「RC」の3種類です。
| グレード | 駆動方式 | トランスミッション | 車両本体価格(税込) |
| RZ | FR | 6速MT | 3,518,000円 |
| RZ | FR | 6速AT | 3,616,000円 |
| SZ | FR | 6速MT | 3,195,000円 |
| SZ | FR | 6速AT | 3,293,000円 |
| RC | FR | 6速MT | 2,936,000円 |

RZグレード
最上級グレードです。18インチアルミホイール、ウルトラスエード×本革コンビシート、前席シートヒーター、ステアリング連動ヘッドランプ、後側方警戒支援システムなどを標準装備。見た目のスポーティさだけでなく、安全・快適装備まで最も充実しています。
SZグレード
中間グレードです。17インチアルミホイール、ファブリックシートを採用。シートヒーター等は省かれますが、エンジンやサスペンションの基本構造、トルセンLSDはRZと共通です。走行性能の土台はそのままに、装備を整理したバランスの良い構成です。
RCグレード
エントリーグレードで、6速MTのみの設定です。16インチスチールホイールや2スピーカーとなり、マフラーカッター等も省かれますが、2.4LエンジンやトルセンLSD、アイサイトなどの主要機能は標準装備。モータースポーツやカスタマイズのベース車両として割り切ったグレードです。
どのグレードがおすすめ?
| 用途 | おすすめグレード | 理由 |
| 快適性・装備重視 | RZ | シートヒーターやステアリング連動ヘッドランプなど、日常使いでの満足度が最も高い。 |
| バランス・コスパ重視 | SZ | 純正状態でバランスよく走りを楽しめ、価格と装備の釣り合いが取れている。 |
| カスタマイズ・競技前提 | RC | 走りの基本部分は担保しつつ、ホイールやブレーキを自分好みに後付けする方に最適。 |
GR86は最も安いグレードでも走りの基本部分(エンジン・LSD等)が担保されている点が、グレード選びにおける重要なポイントです。
パワートレーン
GR86の心臓部であるエンジンスペックは以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
| エンジン形式 | FA24型 2.4L 水平対向4気筒(自然吸気) |
| 最高出力 | 235PS / 7,000rpm |
| 最大トルク | 250Nm / 3,700rpm |
| トランスミッション | 6速MT / 6速AT |
| 駆動方式 | FR(後輪駆動) |

この表から分かるポイント:
自然吸気(ターボなし)の水平対向エンジンを低い位置に搭載することで、低重心のFRパッケージを実現しています。
今回の改良では出力の数値変更はありませんが、スロットルコントロールの制御が最適化されました。アクセルを踏んだ量に合わせて加速が自然に増える設定となり、雪道や街中の低速域でも扱いやすくなっています。
また、スーパー耐久シリーズの知見を活かし、電動パワーステアリング制御も変更。直進からステアリングを切り始めた時の反応や、荒れた路面での安定性が向上しています。


燃費・維持費
WLTCモード燃費は以下の通りです。
| グレード | トランスミッション | WLTCモード燃費 |
| RZ | 6速MT | 11.9 km/L |
| RZ | 6速AT | 11.7 km/L |
| SZ | 6速MT | 12.0 km/L |
| SZ | 6速AT | 11.8 km/L |
| RC | 6速MT | 12.0 km/L |
この表から分かるポイント:
235PSのFRスポーツカーとしては日常使用に十分対応できる数値です。ただし、ハイオクガソリン指定となるため、一般的なコンパクトカー等からの乗り換えを検討している方は、事前の維持費(燃料費)の確認をおすすめします。
エクステリア
ボディカラー
最新のGR86には全7色が設定されており、すべてのカラーを全グレードで選択可能です。
中でも注目は今回追加された新色「ソリッドグレー」です。2017年に約半年間だけTOYOTA 86に設定されていたカラーの復活で、メタリックやパールを使わない落ち着いたグレーが、フェンダーの立体感や低く構えたボディ形状をより強調してくれます。


フロントデザイン
低いボンネットと、「G」をモチーフにした大きなメッシュグリルが特徴です。運転席からは盛り上がった左右のフェンダーが目安となり、車両感覚がつかみやすくなっています。

ヘッドランプは全グレード「Bi-Beam LED」ですが、RZにはステアリング連動機能とデイタイムランニングライトが標準装備。SZは加飾のみ、RCは両方省かれるなど、昼間の見え方に違いがあります。


サイドデザイン
ルーフの最も高い位置が前席付近にあり、リアへ向かってなだらかに下降する美しいクーペフォルムです。フロントタイヤ後ろのエアダクトからリアへ駆け上がるラインが、FRらしい力強さを表現しています。

ホイール・タイヤ・足回り
| グレード | タイヤサイズ | ホイール仕様 |
| RZ | 215/40R18 | 18インチアルミ(マットブラック塗装) |
| SZ | 215/45R17 | 17インチアルミ(切削光輝+ブラック塗装) |
| RC | 205/55R16 | 16インチスチールホイール |
RZとSZには、オプションでブレンボ製ベンチレーテッドディスクブレーキ(フロント対向4ポット/リア対向2ポット)や、SACHS製アブソーバーが設定可能です。足元のデザイン性や、日常とワインディングを両立したい方には注目のオプションです。


リアデザイン
リアランプをガーニッシュでつなぎ、ワイド&ローな印象を強調。トランクリッド後端はダックテール形状となっており、独立したウイングを持たずに空力と安定性を確保する機能美にあふれたデザインです。


ボディサイズ
| 項目 | 数値 |
| 全長 | 4,265 mm |
| 全幅 | 1,775 mm |
| 全高 | 1,310 mm |
| ホイールベース | 2,575 mm |
| 最低地上高 | 130 mm |
| 最小回転半径 | 5.4 m |
この表から分かるポイント:
全幅は1,800mm未満と極端に幅広ではありませんが、着座位置が低くボンネットが長く見えるため、運転感覚は一般的な乗用車と大きく異なります。また最低地上高が130mmと低いため、傾斜のきつい駐車場や段差ではフロントバンパーを擦らないよう注意が必要です。

荷室・トランク

クーペであるため高さ方向の余裕はありませんが、左右がしっかりえぐられており奥行きもあるため、機能性は高くなっています。
最大の特徴は、後席をトランク側から倒してフラットな空間を作れる点です。リアシートを倒せばタイヤ4本と工具類を収納可能。サーキットへ自走して現地でタイヤ交換を行うような用途を想定した、実用性の高い設計です。

インテリア
インテリアカラー・シート素材
RZグレードは「ブラック」と「ブラック×レッド」の2種類、SZとRCは「ブラック」のみです。
今回の改良で、RZのブラック×レッド内装の配色が変更され、ドライバーを囲むように赤いアクセントが配置されました(後期型86を意識)。
シート表皮は、RZがウルトラスエードと本革のコンビ(パーフォレーション加工・シートヒーター付)、SZとRCはファブリックとなります。サイドの張り出しが強く、スポーツ走行でもしっかり身体を支えてくれます。




ステアリング・メーター
真円に近い本革巻き3本スポークステアリングを全車標準装備。テストドライバーの評価をもとに、脇が自然に締まり操舵しやすい断面形状に設計されています。

メーターは7インチカラー液晶の「BOXERメーター」。エンジン始動時の水平対向ピストンアニメーションや、サーキット走行向けのTRACK表示(Gモニターやストップウォッチ表示可能)など、スポーツカーならではの演出が魅力です。



ナビ・エアコン・センターコンソール
全車「オーディオレス」が標準のため、ナビは販売店オプションとなります。スピーカー数はRZが8個、SZが6個、RCが2個と大きく異なります。


改良点として、RZのセンタースイッチ類が「鋳物ブラック塗装」に変更されました。光の反射を抑え、グリップ性も向上させることで運転により集中できる環境が整えられています。

また、6速MT車は5速から4速へシフトダウンする際の操作性が改善(シフトインターロック部の面取り拡大)されており、スポーツ走行から日常域まで滑らかな操作が可能になりました。

後席スペース

前席を適切な運転姿勢に合わせると、後席の足元・頭上スペースはかなり限られます。日常的に4人が乗車するというよりは、基本は前席2人で使用し、必要な時に後席を使う「2+2」のスポーツクーペとして割り切って検討するのが無難です。
安全装備・運転支援機能
今回の改良で最も大きなトピックの一つが「アイサイト」の進化です。
| 安全装備 | RZ | SZ | RC |
| アイサイト(3眼カメラ) | 標準装備 | 標準装備 | 標準装備 |
| 前側方プリクラッシュブレーキ | 標準装備 | 標準装備 | 標準装備 |
| 後側方警戒支援システム(BSM) | 標準装備 | オプション | 設定なし |

この表から分かるポイント:
従来のステレオカメラに「超広角単眼カメラ」を追加した3眼システムへ進化しました。スポーツカーの低い車高に合わせた専用設計で、広い範囲の車両、歩行者、自転車などを認識しブレーキ制御を行います。
※ATとMTの安全装備の違いについて
クルーズコントロールの仕様が異なります。AT車は停止状態まで対応する「全車速追従機能付き」ですが、MT車は30km/h以上での追従となり、25km/hを下回ると自動解除されるため注意が必要です。
見積シミュレーション
今回、ディーラーで想定されるリアルな見積もりをシミュレーションしました。購入検討時の目安にしてください。

| 項目 | 選択した内容 |
| グレード | RZ |
| 駆動方式 | 6速MT |
| ボディカラー | ソリッドグレー |
| インテリア | ブラック×レッド |
| メーカーオプション | brembo製ブレーキ(約20万円)、SACHSアブソーバー |
| ディーラーオプション | ナビ(約24万円)、バックカメラ、ドアミラーオートシステム、ETC、フロアマット、トランクマット、ナンバーフレーム |
見積総額:約429万円
筆者の評価:
brembo製ブレーキやナビが高額なため総額400万円を超えましたが、これらを見送ったり後から個別にカスタムする前提であれば、400万円を切る価格帯も見えてきます。FRスポーツカーとしての走りのポテンシャルを考えれば、コストパフォーマンスは間違いなく高いです。
今後フルモデルチェンジ(新型)の噂も出てくる時期ですが、価格上昇は確実視されるため、熟成の域に達している今のモデルはまさに「買い時」かもしれません。
まとめ
新型(年次改良)GR86のポイントをまとめます。
- 新色「ソリッドグレー」が復活追加
- アクセル・ステアリング制御が熟成され、フィーリングが向上
- MTモデルのシフトダウン操作性が改善
- 安全装備「アイサイト」が3眼カメラに進化
- RZグレードの内装がより質感高く、運転に集中できる仕様に変更
- 見積もり総額はRZのフル装備で約430万円(コスパは非常に高い)
今回の改良は、派手なスペックアップこそないものの、スポーツカーとしての「走りの質」と「日常の安全性」を底上げする非常に有意義な内容でした。
ホイールや内装、安全装備に違いはあるものの、どのグレードを選んでも「自然吸気×後輪駆動×低重心」というGR86ならではの走る楽しさは共通です。熟成が進んだ現在のGR86は、間違いなくおすすめできる1台です。実車が気になる方は、ぜひディーラーでチェックしてみてください。



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