本記事の内容について
2019年の販売終了から約7年ぶりに、日本国内市場へ復活を果たす三菱の新型パジェロ。今回は先行展示されていた実車をもとに、最新フラッグシップSUVの進化ポイントを徹底解説します。
【この記事でわかること】
- 予想価格帯とグレード構成(600万円台〜展開予定)
- 最新パワートレーン(2.4Lディーゼルターボ+新開発8速AT)
- 悪路走破性の進化(パジェロ初のS-AWC採用)
- 取り回しに配慮されたボディサイズ(全幅1925mmで実用性確保)
- 上質で使い勝手の良い内装と3列シートの居住性

新型パジェロのグレード構成と予想価格
今回の発表時点では、日本仕様の正式な価格は公表されていません。しかし販売店やメディアの情報によると、価格は600万円台半ばからスタートする見込みです。最上級グレードでも800万円を下回ると予想されています。
ライバルとなる大型SUVと比較しても、装備の充実度を考えれば非常に競争力のある価格設定です。グレード展開については、大きく2つのデザインテイストに分かれる見込みです。
| グレードのテイスト | 特徴 | おすすめな人 |
| オフロード仕様 | 力強いハニカム形状のフロントグリルを採用。 | アウトドアを積極的に楽しむ方 |
| ラグジュアリー仕様 | 精巧な横桟デザインのフロントグリルを採用。 | 都市部での使用や高級感を求める方 |
かつて人気を博した「エクシード」というグレード名が復活するのではないかという情報もあり、期待が高まります。
エントリーグレードでも600万円台という価格は、決して安い買い物ではありません。しかし、専用設計のラダーフレームや最新の四輪駆動システムなど、中身の進化を考えれば納得のいく設定です。
予算を抑えてベースグレードを狙うのも手ですが、今回はフラッグシップとしての快適装備が魅力です。そのため、装備と価格のバランスが良い中間グレード以上が一番人気になると予想されます。10月1日の予約注文開始を楽しみに待ちましょう。

パワートレーンと走行性能の進化
2.4L直列4気筒クリーンディーゼルと新開発8速AT
搭載されるエンジンは「4N16型」と呼ばれる、2.4リッターの直列4気筒クリーンディーゼルターボです。今回の新型パジェロはディーゼルエンジンに一本化されており、ガソリン車やハイブリッド車の設定はありません。悪路走破性と長距離移動の快適性を最優先した結果と言えます。
- 最高出力:204ps
- 最大トルク:480Nm
この480Nmという大トルクが、極低速域から力強い加速を生み出します。信号待ちからの発進や高速道路での合流がスムーズになり、急勾配の山道でもアクセルを深く踏み込むストレスがありません。
トランスミッションには、新しく開発された8速オートマチックが組み合わされます。兄弟車のトライトン(6速AT)よりも多段化されたことで、エンジンの美味しい回転数を細かく維持できるようになりました。
市街地では変速ショックの少ない滑らかな走りが得られ、高級車らしい乗り心地に繋がります。高速巡航時にはエンジン回転数を低く抑えられるため、車内の静粛性が高まり、燃費向上にも貢献します。
伝統のSS4-IIと初のS-AWC採用
駆動方式には、三菱の伝家の宝刀である「スーパーセレクト4WD-II (SS4-II)」が採用されています。路面状況に合わせて、走行中に4つのモードを切り替え可能です。
- 2H:舗装路メインの後輪駆動。軽快な操作感と燃費向上に貢献。
- 4H:雨の日や雪道で活躍するフルタイム4WD。
- 4HLC:より険しい悪路向けのセンターデフロックモード。
- 4LLC:岩場などの極限状態を走破する、ローギヤ付きモード。
日常の街乗りから過酷なオフロードまで、ダイヤルひとつで最適な駆動方式を選択できます。
さらに注目すべきは、パジェロとして初めて「S-AWC(車両運動統合制御システム)」が採用された点です。フロントブレーキでの左右トルク制御、トラクションコントロール、ABSが高度に連携します。これにより、ドライバーが意識しなくても車側が自動で最も安定する状態を保ちます。
このシステムは7つのドライブモード(ノーマル、エコ、グラベル、スノー、マッド、サンド、ロック)と連動します。雪道や砂浜などでも、適切なモードを選ぶだけで車が最適な制御を行ってくれます。
専用設計のラダーフレーム構造
車体の骨格には、頑丈なラダーフレームが採用されています。トライトンのフレームをベースにしながらも、パジェロ専用設計として大幅に手が加えられました。
高張力鋼板の使用範囲を広げ、フレームの断面を太くすることで、ねじれに対する剛性が格段に向上しています。

外観(エクステリア)デザインの特徴
上質なボディカラー展開
今回のテーマカラーとして、以下の2色が公開されています。
- アーマーカッパーメタリック:重厚な金属を思わせる色合いで、力強いプロポーションを際立たせます(今回の展示車両カラー)。
- ファントムブルーメタリック:グレイッシュブルーをベースに、光の当たり方でゴールドのハイライトが浮かび上がるモダンな色使い。
どちらも、街中の風景にも大自然の中にも映える上質なカラーリングです。

頼もしいフロントフェイスと機能的なヘッドライト
ボンネットの位置が高く、水平基調のラインがフロントからリアまで真っ直ぐに伸びています。歴代モデルが持つ「どこへでも行ける」という頼もしさを見事に表現したスクエアなプロポーションです。


それでいてパネルの曲面は滑らかに処理されており、泥臭さよりも高級SUVとしての品格が強く感じられます。メーカーによれば、日本の剣道に通じる「内面の強さ」を表現したデザインとのことです。

ヘッドライトには、先進感のあるT字型のフルLEDランプが採用されています。注目したいのは、ライトの配置が少し奥まった「埋め込み式レイアウト」になっている点です。これはオフロード走行時に、木の枝や飛び石からレンズを守るための工夫です。初代からの機能美を追求しつつ、歩行者保護の基準もクリアしています。

ドアの施錠・解錠時には、光が流れるようなウェルカムアニメーションが点灯し、プレミアムな演出で気分を高めてくれます。
絶妙なボディサイズと優れた悪路走破性
新型パジェロの主要スペックは以下の通りです。(※20インチタイヤ装着車)
| 項目 | 数値 |
| 全長 | 4920 mm |
| 全幅 | 1925 mm |
| 全高 | 1910 mm |
| ホイールベース | 2870 mm |
| 最低地上高 | 230 mm |
| アプローチアングル | 30.4° |
| デパーチャーアングル | 25.8° |
全幅1925mmは、狭い路地では少し気を遣うサイズです。しかし、ライバルとなるランドクルーザー(全幅1980mm)などと比較すると、5センチ以上スリムに設計されています。日本の道路環境や立体駐車場でも、相対的に扱いやすい絶妙なサイズと言えます。
全高1910mmは多くの屋外駐車場で問題ありませんが、高さ制限1.9m以下の古い立体駐車場では注意が必要です。
最低地上高は230mm確保されており、深い雪道や未舗装路でも車の底を擦る心配がほとんどありません。前後の重量配分も52:48と最適化されており、本格的なオフロード走行を想定した頼もしい数値です。

力強いサイドビューと専用サスペンション
大きく張り出した前後フェンダーが、四輪の力強さを強調しています。フロントフェンダー側面にはクラシックなガーニッシュが装着されており、サイドビューの良いアクセントになっています。


ルーフラインは後方まで真っ直ぐ伸びており、室内空間の広さが外からでも想像できます。特に特徴的なのが、斜めに太くデザインされたCピラーの形状です。これは初代モデルのロールバーから着想を得ており、現代的なSUVデザインへと見事に昇華されています。

足元には20インチの大型アルミホイール(タイヤサイズ:255/55R20)が装着され、隙間からは18インチの大径ブレーキローターが見えます。重量のある車体を確実に停止させるため、電動ブースターと組み合わせた強力なブレーキが採用されました。

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式、リアには新開発の5リンク式リジッドサスペンションが採用されています。荷物用のリーフスプリングを積むトライトンに対し、パジェロは乗り心地を重視した構造です。悪路での接地性を確保しつつ、オンロードでの乗り心地も劇的に改善され、長距離ドライブでも疲れにくくなっています。

伝統と実用性を両立したリアデザイン
後ろから見た印象も、どっしりとした安定感があります。縦基調のシャープなテールランプが、リア全体の引き締め役となっています。

テールゲートの中央には、歴代モデルの象徴だった「背面スペアタイヤ」をモチーフにした六角形のプレスライン(ヘキサゴンデザイン)が入っています。本物のスペアタイヤは床下収納へ移動したため、リアゲートが軽量化されて開閉が非常に楽になりました。

また、後方視界が大幅に改善され、バック駐車時の安心感が高まっています。タイヤの張り出しがなくなったことで、荷室容量や3列目シートの空間拡大にも貢献しており、非常に合理的な進化と言えます。
内装(インテリア)と実用性のチェック
広大でフラットなトランク容量(荷室)
具体的な荷室容量は未公表ですが、スクエアなボディ形状のおかげで開口部が広く、四角くて使いやすい空間が広がっています。
床面はフラットに設計されており、重い荷物を滑らせて積み込む際にも引っかかりません。日常の買い物からかさばるキャンプ道具まで、ストレスなく対応できます。

3列目シートは床下へ完全に平らに折りたためます。操作も非常に軽く、「リフトアンドフォールド操作」によって片手で簡単にシートの展開・格納が可能です。乗車人数や荷物に合わせて、誰でもレイアウトを変更できるのは大きなメリットです。

質感と機能性が融合した運転席周り
インテリアカラーには、ブラックとの2トーン構成となる「キャメル」が公開されています。自然素材本来の色合いを追求しており、高級感があるだけでなく、アウトドアの土汚れやホコリが目立ちにくい実用的なカラーです。

シートには上質な触感を持つ「セミアニリン本革」が採用され、長時間のドライブでも身体に自然に馴染みます。立体的な構造で肩口やサイドをしっかりサポートし、シートヒーターやベンチレーション機能も完備されています。
運転席ドアの内張りは全面がソフトパッドで覆われ、きめ細かいステッチやサテン調アクセントがあしらわれています。ドアノブはギア感のあるしっかりとした造りで、高級感とアクティブ感が両立しています。シートメモリー機能も確認できました。

ステアリングは本革巻きの4本スポークデザインです。各種操作スイッチが集約されており、パドルシフトを活用すれば意のままにシフト操作を行うことも可能です。最低地上高が高いため、乗り降りの際はサイドステップとAピラーのアシストグリップを活用します。

最新の安全装備と運転支援システム
高速道路での長距離移動をサポートする「マイパイロット」が採用されました。車間距離の維持や、車線中央を走るためのステアリング支援を行ってくれます。
- 歩行者や自転車を検知する衝突被害軽減ブレーキ
- 車線逸脱を防ぐ機能
- 交差点での死角を補う前方交差車両警報
万が一の衝突に備えて、三菱車初となるセンターエアバッグを含む合計8つのエアバッグが車内を保護します。
予防安全で特に注目したいのが「3Dマルチアラウンドモニター」です。4つのカメラ映像と3Dモデルを合成し、周囲の状況をリアルタイムに確認できます。
さらに画期的なのが「フロントアンダーフロアビュー」です。カメラ映像を合成し、まるでボンネットが透けているかのように車両真下や前方の路面状況を確認できます。急な上り坂や岩場だけでなく、段差の多い場所での駐車にも非常に役立つ機能です。

先進的なディスプレイとこだわりの音響設備
メーターには「モノリスディスプレイ」と呼ばれる14.3インチの大型液晶画面が配置されています。日常運転からオフロード走行まで、必要な情報を自在に切り替えて表示できます。

中央のナビ画面にも14.3インチのディスプレイが備わり、スマートフォンとのワイヤレス接続に対応しています。ここには歴代モデルへのオマージュとして、かつての「3連メーター」がデジタルで復活しています。高度計、方位計、温度計に加え、車体の傾きや四輪制御の作動状況がグラフィカルに表示されます。


内装の随所には、京都の伝統技法「木目込み」から着想を得たソフトパッドがあしらわれています。複雑な曲面には職人の手作業による「S字ステッチ」が施されており、乗員を保護しつつ日本発のクラフトマンシップを感じる仕上がりです。

車内の音響には、ヤマハと共同開発されたプレミアムサウンドシステム(12スピーカー+デュアルアンプ)が搭載されています。風切り音やエンジン音を防ぐ「遮音ガラス」と相まって、まるで生演奏を聴いているかのような没入感を得られます。


エアコンの操作スイッチは物理スイッチとして残されており、ブラインド操作もしやすいよう配慮されています。

後席(2列目・3列目)の居住性と快適装備
後席ドアの開口幅は広く取られており、乗り降りに窮屈感はありません。ドアの内張りも前席同様に質感の高い仕上がりです。

身長170cmの大人が座った場合、2列目の膝前スペースは手の平1枚分ほどの余裕があります。座面の高いシアターシートが採用されているため開放感はありますが、頭上のスペースにはあまり余裕がありません。高身長の方は実車でのチェックをおすすめします。


センタートンネルの張り出しは小さく、3人掛けも苦になりません。センターアームレストにはカップホルダーが備わり、シートヒーターやエアコン操作スイッチ、AC電源(※海外仕様とのこと)も用意されています。大きめのムーンルーフも装備されており、後席の快適性を大きく高めてくれます。



3列目シートへは、2列目シートを格納してスムーズに乗り込めます。2列目を少し前にスライドさせれば膝前にスペースを作ることができ、頭上スペースも2列目と同等です。シートのクッション性も十分で、専用のドリンクホルダーも完備。大人でも適度な休憩を挟めば長距離移動に対応できる快適性が確保されていました。



まとめ
今回のフルモデルチェンジは、単なる過去の名車の復刻ではありません。
伝統のラダーフレームや強靭な四輪駆動システムによる「悪路走破性」をベースにしつつ、最新の電子制御(S-AWC)や静粛性を極めた空間など、「上質さ」と「快適性」が徹底的に磨き上げられています。
日常使いを意識したスリムな車幅、扱いやすいシートアレンジ、充実した運転支援システムは、ファミリー層のロングドライブにも最適です。かつてのパジェロファンはもちろん、妥協のない本物のSUVを求める新しいユーザーにもおすすめできるフラッグシップモデルに仕上がっています。
日本国内での予約注文は10月1日からの開始が予告されています。気になっている方は、ぜひ早めに販売店で最新情報を確認してみてください。

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