本記事の内容について
今回の記事では、先日、トヨタ自動車から発表された
GRカローラのRZグレードが展示されておりましたので、
そちらの内外装紹介を行っていきます。
グレード構成について
まずはグレード構成についてです。
現在判明しているグレード構成として、
GRカローラにはGRヤリスと同様、RZグレードと
そのRZグレードをベースにし、
豊田章男社長が自ら開発に携わった
スペシャル仕様であるモリゾウエディションが設定されています。
どちらのグレードも
1.6L 3気筒ターボエンジンと4WD、
6速MTという組み合わせに変更はありませんが
RZグレードの場合はベースである
カローラスポーツの車両素性を引き継ぎ5人乗りに対し、
モリゾウエディションの場合は、
軽量化を実現のため、リアシートが存在せず、
2人乗り仕様となっており、かなりスパルタンな仕上がりとなっています。
価格としては北米でのスタート価格が
約509万円からとなっており、
日本仕様もそれに準ずる価格となると想定すると、
GRカローラの価格はGRヤリスよりも
少なくとも50万円以上高くなることが予想されますが、
ヤリスとカローラの車格を考えると妥当な線だと思われます。
パワートレーンについて
パワートレーンには
GRヤリス同様、1.6L 直列3気筒ターボエンジンに
4WDを組み合わせたGR-fourの仕様がGRヤリス同様、
GRカローラにも搭載されていますが、
エンジンの性能がより突き詰められており、
GRヤリスの仕様から馬力が32PS高められた304馬力となっており、
開発目標値であるGRカローラの車両重量1475kgで考えると
GRヤリスのパワーウエイトレシオ 4.71kg/psに対し、
GRカローラは4.85kg/psと肉薄しており、
車重アップによるハンデをものともしない動力性能を有しています。
またモリゾウエディションに関しては
リアシートの排除による約30kgの軽量化に加え、
最大トルクが30Nmアップの400Nmになっており、
スペシャル仕様にふさわしい突き抜けっぷりとなっています。
こちらに組み合わされる駆動方式がGR-fourであり、
3段階で前後の駆動力配分を切り替えられる4WDシステムとなっており、
NORMAL、SPORT、TRACKとその時々のシチュエーションにあった
最適なドライブフィールを提供する駆動方式となっています。
私もGRヤリスでこのGR-fourを体感したことがありますが、
特にSPORTモードとTRACKモードの切り替えによる
FRライクの走りと4WDの安定感ある走りの違いを感じ取ることができ、
車の特性を理解するという意味合いでも
非常に勉強になるシステムであったことが印象に残っています。
また本来ではデメリットとなりうる3気筒の振動などが
車好きとしては逆に心地よく、野太い吸排気音が伴って、
非常に興奮する試乗であったことを覚えています。
GRカローラには出力アップのため、
センターにマフラーが一本追加された3本だしとなっており、
排気音もより気持ちよくなっていると考えられるため、
試乗の機会が訪れることが楽しみです。
内外装色について
内外装色についてです。
外板色としてはRZグレードにはご覧の4色が設定されており、
モリゾウエディションにはマットカラーおよびプレシャスメタルが設定されるそうです。
こちらに関しては硬派な車であるため、
GRを象徴するカラーで固められている印象ですが、
プレシャスメタルが追加されており、
よりレーシーな色合いも今回から追加されています。
内装色としてはRZグレードにはブラックをベースとして
レッドのステッチが配されたブラック×レッドの組み合わせと
シルバーのステッチが配されたブラック×シルバーの組み合わせ、
モリゾウエディションにはブラック×レッドの組み合わせが設定されており、
こちらも非常にシンプルな選択肢となっています。
展示車仕様について
展示車の仕様はご覧の通りとなっており、
グレードはRZとなっており、パワートレーンにはGR-fourが設定されており、
外板色が結構珍しいと思われるグレー系のプレシャスメタルに
ブラック×レッドの内装を組み合わせたものとなっていました。
このGRカローラの特別展示は
今回お邪魔したGRガレージの店舗だけでなく、
全国で特別展示が開催されているそうですので
HPから日程を確認してみることをおすすめします。
外観紹介
外観紹介、まずはフロントフェイスからになります。
フロントフェイスにはGRシリーズ共通の
四角い開口部のマトリクスファンクショナルグリルが採用されており、
GRカローラの場合はフォグランプをグリルと一体化されており、
よりスクエア感が強調されているように思えます。
また正面から見てもシャープな切れ長のヘッドライトの
さらに外側に広がるフロントフェンダーの盛り上がりが印象的であり、
4WD駆動を採用したことによる安定感と
只モノでない感を外観からしっかりと主張しています。
フロントタイヤ前も開口されており、
空気が抜けるようになっていることと、
グリル内のメッシュも比較的目が粗く開口されており、
高出力エンジン搭載に伴う熱対策もしっかりなされている印象です。
ボンネットフードも非常に立体的な構造となっており、
搭載要件ではないかとは思いますが
IS500のように強力なエンジンを搭載していることを
主張しているとともにエアアウトレットが設けられていることで
熱対策も行われています。
フロントフェイスのサイドは
曲線中心の正面に対し、鋭角に切り落とされており、
風流れをよくし、空力特性を優先したデザインであることがよくわかります。
サイドに回り込んできました。
GRカローラのボディサイズは
全長4410mm、全幅1850mm、全高1480mm、
ホイールベースが2640mmとなっており、
ベースであるカローラスポーツと比較すると
全長が35mm、全幅が60mm、全高が20mm
それぞれ拡大されています。
ただこのサイズアップは車室内の拡大ではなく、
タイヤをより広く四隅に配置するトレッドの拡大を実現するための結果であり、
より安定感を実現するための機能要件によってなされた
サイズアップとなっています。
ポイントとしてはGRヤリスとのホイールベースの長さの違いであり、
GRカローラの場合はホイールベースが80mm長くなっています。
ホイールベースが長いほど、
車の素性としては直進安定性に重きが置かれることとなるため、
この素性の違いがGRヤリスとGRカローラの
車としての特性の違いを示しています。
サイドのデザインとしては横から見るだけでフロントおよび
リアのフェンダーの盛り上がりが非常に強調された
デザインであることがわかるとともに
フロントタイヤ前のエアダクトがいいアクセントになっています。
GRヤリスとの大きな違いはルーフのラインであり、
GRカローラの場合は元々のカローラスポーツの素性に則った
ルーフのラインとなっていることでハッチバック形状ではありますが、
乗員の頭上スペースが担保されているであろうことがよくわかります。
その他にもサイドスカートにGR-fourのロゴがアクセントとなっていたり、
オーバーフェンダー化するための追加パーツや
エアダクトなどアクセントとなるパーツが多岐にわたって装備されています。
ちなみにルーフには
マーブル柄のカーボン素材が使用されており、
こちらもGRヤリスと共通の装備となっています。
となりに展示してあったGRヤリスのデザインと比較すると
GRヤリスの場合はほぼすべてがGRヤリスオリジナルのパーツとなっているため、
追加パーツのないシンプルな造形となっていることが印象的です。
それに対してGRカローラの場合は
いい意味でベース形状からのカスタム感がマシマシとなっており、
後付けではありますが、それゆえの只モノ感のなさが伝わってきます。
ホイールデザインはこのようになっており、
GRヤリスやGRスープラと共通性が持たされた意匠となっています。
サイズとしては235/40R 18インチとなっています
これに対し、モリゾウエディションは
245/40R 18インチのタイヤが採用されており、
走行性能に対するこだわりをひしひしと感じるものとなっています。
斜め後ろから見た際の盛り上がりに加えた複雑な造形が非常に印象的でした。
元々複雑な造形をしていたカローラスポーツの造形に
プラスしてトレッドの拡大を実施するため、
フェンダーまわりの造形がとんでもないことになっており、
GRカローラの存在感を印象付けるものとなっています。
リアのデザインはこのようになっており、
印象的なのはやはりセンタ―出しを加えた3本出しのマフラーとなります。
エンジン出力向上のために3本出しを採用するこだわりと存在感もそうですし、
フェンダーの造形、そしてテールゲートの造形などを考慮すると
他社含め、現存するホットハッチでここまで
戦闘力のありそうなリアデザインのホットハッチは
存在しないんじゃないかと思えます。とんでもない車ですね。
内装紹介
内装紹介、まずはトランクルームからです。
印象的な点としては4WD仕様となっているにもかかわらず、
まったく荷室容量が犠牲となっておらず、
ベース車両の容量が担保されています。
元々広大といえるほどではないですが、
トランクスルーも可能であり、サーキット目線でいうと
タイヤ4本を余裕で積めるであろうことを考慮すると
カーライフ目線で考えても非常に高い実用性を持った車であるといえます。
運転席周りの内装はこのようになっています。
特徴的なのはGRのロゴの入ったステアリング、
6速MT用のシフトノブ、GR-fourの運転モード切替スイッチ、
手引きのパーキング、このあたりがノーマルカローラと
GRカローラとの違いとなっており、加えて随所にレッドステッチが入っていたりと
よりレーシーな仕立てとなっています。
そのうえでベースのカローラに装備されている
フル液晶メーターやヘッドアップディスプレイ、
10.5インチナビといった基本装備はGRカローラにも装備されているため、
運転する際の快適性も犠牲となっていない点がうれしいところです。
また予防安全系装備であるトヨタセーフティセンスも
装備されているとのことですので
万が一の際に車側からも危険回避のアシストをしてもらえる点は
スポーツカーであっても安心感が高いです。
運転席周りにおいてRZグレードとモリゾウエディションとの違いとしては
ステアリングやパーキングブレ―キなど手で触れる部分に対して
ウルトラスエードの素材を使用することで日常使いだけでなく、
サーキット走行時のグローブをはめている際の
操作性も考慮した装備が織り込まれます。
RZグレードのシートはこのようになっており、
レッドのステッチの入ったレーシーな雰囲気にとどまらず、
サイドの張り出しの大きい、本革とアルカンターラのコンビシートとなっていました。
これに対し、モリゾウエディションはよりサイドのサポートがタイトとなった
セミバケットシートが採用されており、こちらもサーキットユースを想定した
仕様であることがよくわかります。
ただセミバケットシートは日常生活においては
不便に感じる点も多いと考えられ、
GRカローラの場合はGRヤリス以上の利便性も併せ持つ観点から
日常使いの快適性を求めているユーザーも多いと考えられ、
その点が考えるとRZグレードのシート形状がちょうどいい塩梅かもしれません。
後席周りはこのようになっており、
しっかりと5人が座れるスペースが確保されていることに加えて
こちらの素材にもアルカンターラが使用されており、
質感が前席に比べて劣ることはなさそうです。
またリアガラスの開口面積や頭上スペースに関しては
ベースのカローラスポーツ同等であるため、
足元スペースに関しても広々ではありませんが
必要十分な空間が確保されていそうな点が好印象となっています。
それに対し、突き抜けてしまっている
モリゾウエディションに関しては後席シートは存在せず、
剛性確保のためのロールバーが通されたトランク空間となっています。
カローラにおいてここまでの割り切りを実施したことに驚きであり、
ぜひ走り好きの方に所有いただき、
サーキット走行など存分にこの車のポテンシャルを発揮いただきたいところです。
販売方法について
最後に非常に残念な点ですが、
このGRカローラの販売方法についてです。
当初はモリゾウエディションのみが
抽選販売される運びとなっていたそうですが、
昨今の半導体不足などの影響から通常モデルのRZグレードに関しても
台数限定の抽選販売となってしまうそうです。
最新情報によると割り当て台数としては
モリゾウエディションが70台、
RZグレードが500台となっており、
ともに12/2から抽選受付が開始されるそうです。
非常に魅力的なモデルであるこの車両が
欲しい人全員の手に渡らないのは残念ですが、
手に入れられた方は存分にこの車両の走りを楽しんでいただきたいところです。
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