[自動車レビュー]トヨタ「GR86」内外装紹介

86
関連広告

展示車両概要

今回ご紹介する車両の概要はご覧の通りとなっており、
グレードはRZグレード、パワートレーンは排気量が先代から拡大された水平対向4気筒2.4リッターNAエンジン搭載のFR車両となっています。
外板色はオプションカラーとなっているスパークレッド、内装色はブラックとシルバーの構成となっていました。

外板色について

外板色については、今回紹介するスパークレッド以外にクリスタルホワイトパール、クリスタルブラックシリカ、サファイヤブルー、アイスシルバーメタリック、ブライトブルー、マグネタイトグレーメタリックの全7色が設定されています。

スパークレッド、クリスタルホワイトパール、クリスタルブラックシリカ
サファイヤブルー、アイスシルバーメタリック
ブライトブルー、マグネタイトグレーメタリック

この中でオプションカラーは先述したように、スパークレッドとクリスタルホワイトパールとなっています。
今回、外板色について気になったことが2つあります。
一つは先代の86に設定されていたオレンジがカタログ落ちしていることです。その代わりに、カタログカラーとしてブライトブルーが brz にない設定色としてありますが、私個人的には86にはオレンジのカラーが似合っていたように思うので、ちょっとカタログ落ちは残念ですね。

もう一つは赤色についてです。
GRブランドから発売されているGRスープラ、GRヤリス、今回のGR86とすべて赤色が異なります。

GRのロゴから赤色押しのブランドであることがわかるんですけれども、GRといえばこの赤、といった象徴的なレッドを設定して統一するのもアリなんじゃないかなと思っています。おそらくなんですけれども、GRヤリスはトヨタの工場で生産されていますが、GRスープラはマグナシュタイヤ、86はスバルの工場で生産されるということで、異なる工場の工程で同じカラーで塗装を行うっていうのはコストがかかるということだと思います。その事情は理解できるのですが、先ほど申し上げたように、「GRといえばこの赤」というのを実現して、そのカラーでGRブランドを統一するみたいことをやっていただけるとよりブランドの訴求力として上がると思うので、なんとか実現して欲しいですね。

エンジンについて

続いて、パワートレインについてです。

ここが今回のフルモデルチェンジで最も大きな変更点だと思いますが、エンジンの排気量が2Lから2.4Lへと拡大されています。この変更によって馬力は先代から+28hp、トルクも+38Nmアップしています。このエンジンの排気量アップはエンジンのボア径の拡大によって実現されています。
下図に示すように、エンジンの排気量はピストンの大きさを示すボアの大きさとピストンが左右に動く量であるストロークの長さで決まります。

元々86は ボアとストロークが86mm×86mmのエンジンでした。
ここから新型86のエンジンはボアが94mmアップ、ストローク量が変更なしで2.4リッターの排気量アップを実現しています。この変更によって下図に示すように、これまで先代の86の弱点であった低速時のトルクを補い、3700回転で最大トルクを発揮し、ボアの方がストロークよりも大きいショートストロークエンジンであるため、7000rpm で最高出力を発揮するエンジンとなっています。

このことからこれまでの自然吸気エンジン特有の高回転になればなるほどパワーが出る特性を担保しつつ、低速走行時のトルクが低かった弱点が克服されており、まさに正常進化といえるエンジンだと考えます。

外装紹介

まずはフロントフェイスについてです。
こちらに関してはGRブランド車として、スクエアなグリルやL字に近いデイタイムライトなど gr ヤリスとの共通性を感じるデザインでした。

発表時の写真を見た感じはのっぺりした印象を受け、少し微妙に感じていましたが、実物を立体的に見るとかっこよく思えてきました。トヨタ車って写真写りが悪い車が多いような気がします。
このサイドの部分はしっかり空気が抜けるようになっており、GRスープラと違って、ダミー部分が皆無な気がします。羨ましいですね。

ホイールに関しては今回の展示車がRZグレードであったため、ブラック塗装されたホイールが装着されており、サイズは215/40R/18インチのホイールとなっています。ミシュランのパイロットスポーツが装着されているということで、本格的なスポーツ走行にも対応できそうです。黒ホイールかっこいいですね。赤ボディとのコントラストがすごく映えています。

86はミラーのカバーもブラックで塗装されているということで、要所要所が引き締まっています。

先ほど触れたダクトは下図のように、しっかり開口されているのがわかります。
さらにその後ろのボディーサイドにもダクトが設けられており、かなり空力を意識した車であることがわかります。これもボディーサイドのアクセントになっていてかっこいいです。スープラにもこんな感じの部品つけたいですね。

サイドに回り込んできました。
新型86のボディーサイズは全長が4265mm、全高が1310mm、全幅が1775mm、ホイールベースが2575mm なっています。先代と比較すると全長が+25mm、全高が-10ミリ、全幅が変わらず、ホイールベースが+5mm となっています。全長が若干伸びてはいますが、全幅が変化していないため運転感覚としては先代とほぼ変わらず扱いやすいボディーサイズが維持されているのはいいことですね。

今回の86はデザインですがすごくシンプルです。コテコテのサイドスカートやトランクスポイラーなどが装着されておらず、ボディ自体が流線形の形をすることでリアフェンダーが強調されていたり、クーペらしい速そうなフォルムが形成されています。

このままでも凄くかっこいいですし、おそらくノーマルだとまだ何もついていないような状態なので、今後続々登場するであろうアフターパーツを一つ付けるだけでも簡単に個性を出せそうなので、カスタムの素地としても非常に良い車両と感じました。
リアのシルエットはこのようになっています。やっぱりマフラー左右1本ずつの形がいいですね。スポーツカーって気がします。リアのデザインは先代よりもかなり変わっている印象です。ナンバープレートの位置が下がったことで、より車高が低い車のように見えますし、テールランプが切れ長形状となっていることで、先進感が増しているようにも思います。

このテールランプのカタカナのフの字の形状はGRヤリスのテールランプの形状と似ていますが、開発者のインタビューによるとGRブランドとして形状を統一しようとしたわけではなくたまたまだそうです。おそらく空力を意識するとこのデザインになったんじゃないかなと思います。

ライトチェック

ライトチェックで今回の86で唯一不満点にあがりそうな所を見つけました。
問題はこのサイドウインカーです。道路交通法の法規によると、ウインカーの位置は地面から350mm以上、上にあることとあります。今回の86のこのウインカーの位置が正確に地面からいくらかかはわかりませんが、車高を下げすぎると車検に通らなくなってしまう懸念があります。
この問題は先代の前期型でも起こっており、後期型になったタイミングでウインカーがヘッドランプ内に収められることで解決しました。先代で起こっていた問題が再発される懸念があるのに、なぜこの位置にウィンカーを配置したのかちょっと謎ですね。

内装紹介

まずはトランクの容量についてです。
トランクを開けると下図の通りとなっており、クーペのため、高さ方向に余裕はありませんが、横方向に大きくえぐられていること、また、私の手が届かないレベルで奥行きがありますので、普段使いする上で不満に思うことはないかなと思います。

床下収納ははほぼないと言っていいかなと思います。

また2プラス2である86はこの図のように、トランクスルーすることができるのが大きな魅力であると思います。先代の荷室容量のコンセプトもサーキット用タイヤ4本を運べる容量を確保することであり、今回のモデルもそのコンセプトは引き継がれているものと思います。

続いて運転席に乗り込もうと思いますが、ここで注意です。
この86はサイドスカートの張り出しがかなり大きい印象でした。ボディ同色なので気づかずに乗り込んでしまい、足をぶつけてしまうといったことが頻発しそうです。オーナーは分かっているので気をつけるんですけれども、助手席に人を乗せるときは声かけがかなり重要そうですね。スポーツカーオーナーの悩みの1つです。

改めて運転席に乗り込みました。
今回の内装色はブラックにシルバーのステッチが入ったタイプとなっています。ドアの内張りに関しては、下図の部分はアルカンターラとなっており、肌触り良かったです。

このドアノブは樹脂のままで塗装をされていませんでしたので、少し質感は低い印象です。

肘置きの部分にはソフトパッドが使われており、シルバーのステッチもはいっていました。その他の部分も柔らかい樹脂が使われており、しっかりホールドしてくれそうなペットボトルホルダーも備え付けられています。

ステアリングにはGRのロゴが入っており、所有満足度を上げてくれます。
左側がオーディオ操作系となっており、右側にはほとんどスイッチ機能はありませんでした。右下にクルーズコントロール用のレバーが取り付けられています。

メーターのデザインは水平対向エンジンを模した形状となっており、今回のモデルから全画面液晶となっており、表示できる情報量としてはかなり改善されていそうですが、今回の展示車両では残念ながら起動することはできませんでした。

続いてナビ周りです。
今回の展示車両には取り付けられていませんでしたが、9インチまでののナビを取り付けることができるそうです。

その下にはエアコン操作系のダイヤルが物理スイッチかつ、大きなサイズのものが装備されており、このサイズ感だと走行中に目線を反らせずに操作できるかと思いますので、結果的に安全につながると思われます。

その下にデフォッカーなどが配置されており、必要となった際にパッと操作できるように配慮されている印象です。このあたりのシンプルなボタン配置は先代からのキープコンセプトですね。

そしてMTの展示車両であったため、6速のシフトノブが備えつけられています。スコスコ入ってくれて操作感が非常によかったですが、試乗してみないとわからない部分もあるかと思いますので、またこのディーラーに足を運ぼうかと思います。

その後ろには横滑り防止装置のオンオフスイッチがありました。普段の車であれば滅多に使わないスイッチが中央に鎮座しているのがまさにスポーツカーといった感じですね。

さらにその後ろにシートヒーターがあります。こちらRZグレードのみの装備となっています。

その横に握り心地の良い感じのサイドブレーキが付いています。手で引くタイプのサイドブレーキ装着車に久しぶりに座った気がします。

そして最後端に蓋つきのドリンクホルダーがあり、その中には usb ポートも備え付けられており、装備として必要最低限のものは装備されているかなと思います。

グローブボックスの中は起毛仕上げされていませんでしたが、これは仕方ないかなと思います。ティッシュボックスは入らなそうですね。

86の内装の全景はこのような形となっています。水平基調を意識されているということでボンネットから視界に入るまでに余計なものがなく、確かにスポーツカーの中では見晴らしが良いように感じました。先代もそうですが、ボンネットの盛り上がっている部分も運転席から見えましたので、車幅感覚もつかみやすいかなと思います。

前席シートはこのようにアルカンターラと革のコンビシートとなっており、しっかり体を支えてくれる感じのシートとなっていました。ただ欲を言えば、ヘッドレストの一体型シートでもっとスポーツカーらしいシートが選べても良かったかなと思います。

こちら後席となります。
さすがに2プラス2の位置づけなので、今回は座りませんでした。ただお尻の部分が沈み込むような形になっていましたので、自然とかがみ込むような姿勢が取れるのではないかなと思います。そうは言っても大人が座るのはかなりキツイかなと思いますので、本当に緊急用になるかなと思います。まあ後席がついているという事実が一番重要かなと思います。

まとめ

今回は新型のGR86の内外装紹介を行いました。
エクステリアについてですが、フロントフェイスは写真で見ると正直微妙に感じていましたが、実物で見ると印象が変わったので、販売店にて実車をご覧になることをお勧めします。
またエアロパーツを後付するのではなく、車体形状そのものでスポーツカーに求められる空力特性を満たしている印象で、シンプルでありながら、非常にスポーツカーらしいシルエットだと思います。
インテリアに関しては先代からのキープコンセプトであり、シンプルなボタン配置や水平基調を意識することで、非常に運転に集中しやすい雰囲気作りがなされていました。
先代の良かったところがしっかりと引き継がれていることが好印象で、まさに正常進化といえるフルモデルチェンジであると思います。

youtube動画

コメント

タイトルとURLをコピーしました