本記事の内容について
今回の記事では、先日、トヨタ自動車から発表されたカローラクロスの年次改良モデルの改良ポイントとグレード選択時の注意点を紹介していきます。
グレード構成
まずはグレード構成です。
カローラクロスにはエントリーグレードのG、G”X”、ベースグレードのS、上級グレードのZが設定されており、車両本体価格はご覧の通りとなっています。
今回の年次改良においてZグレード、HEV比較で約30万円ほど値上がりとなってしまっており、この値上がり分を改良ポイントが補えているのかが注目ポイントかと思います。
また、注意点として、Sグレードにはガソリン仕様の設定がないこと、また、ガソリン仕様には4WDの設定がないことが挙げられます。
SUVとなっているため、路面状況の悪い道をアクティブに走行する使われ方を想定している方も多くおられるかと思いますので、注意となっています。
パワートレーンについて
続いてパワートレーンについてであり、今回の年次改良のポイントとなっています。
カローラクロスには2種類のパワートレーンが設定されており、ひとつは今回の改良から設定された2L 4気筒エンジンの仕様と1.8L 4気筒エンジンにモータを組み合わせたHEVの仕様となっています。
まずはガソリンエンジン仕様についてです。
今回の改良によってRAV4やハリアーなどに搭載されている2Lエンジンが搭載されていることがポイントです。
排気量の増加に伴い、馬力が一気に30psアップ、最大トルクも32Nmアップとなっており、より優れた動力性能のエンジンへと置き換わっています。
これにはエンジンの排気量アップと従来のCVTから発進ギア付きのダイレクトシフトCVTの採用による影響が大きいと考えられ、走り出しの軽快感もアップしているものと思われます。
続いてHEV仕様についてです。
こちらに関しては1.8Lエンジンとモータの組み合わせという構成に変更はありませんが、特にHEVシステム内のモータがヴォクシーやノアにて実装されている新世代のものに置き換わっています。
具体的には出力が大幅に向上しており、フロントのモータの馬力が72psから95psへと23ps向上しており、リアモータに関しても約34ps向上と別物となっており、これまではアシストの位置づけであったリアモータを積極的に活用できることになったことでより安定感のある走りが実現出来ているものと思われます。
内外装色について
続いて内外装色についてです。まずは外装色についてです。
カローラクロスにはご覧の全11色のカラーバリエーションが設定されています。
年次改良時の変更点としてはグレー系のマッシブグレーが追加したことが挙げられます。
注意点としてはグレード、パワートレーンごとに選択できる外装色が異なり、ZグレードのHEV仕様に関してはすべての外板色が選択可能となっており、Zグレードのガソリン仕様ではツートン仕様が選択不可、Sグレードに関してはレッドカラーが選択できず、G、G”X”ではご覧の3色のみが選択可能となっています。グレードだけでなく、パワートレーンでも選択できるカラーが異なるため、要注意です。
内装色に関してはご覧の2色が設定されていますが、ブルー内装に関してはZグレードのみ選択可能となっており、素材に関してはZグレードが本革とファブリックの組み合わせに対し、S、Gグレードではファブリックとなっており、オプションでも変更不可のため、注意です。
展示車概要
展示車の概要についてです。
現時点において、カローラクロスの年次改良モデルの現車をみることができませんでしたので、今回の動画ではこちらの年次改良前のモデルをベースに年次改良ポイントを紹介していきます。
外観紹介
外観紹介、まずはフロントフェイスからです。
フロントフェイス周りは今回の年次改良で大きな変更は加えられていません。
カローラクロスのフロントフェイスは他のカローラシリーズとは異なる顔つきが与えられており、末広がりのグリルの形状や、そのグリルを縁取るような樹脂パーツやフォグランプが装備されている点などが特徴として挙げられます。
特に他のカローラシリーズと異なり、無塗装の樹脂パーツが多用されていることでアクティブ感が高められており、SUVらしさが強調されています。
フロントフェイス周りに関してもいくつかグレードによって装備内容が異なり、こちらのシーケンシャルウィンカー付きのヘッドライト、およびフォグランプはZグレードのみの装備となっており、Zグレード以外ではご覧のデザインのヘッドライトとなります。また、G、G”X”グレードにおいてはグリルの縁取りがブラックカラーとなるため、注意です。
サイドに回り込んできました。
カローラクロスのボディサイズは全長4490mm、全幅1825mm、全高1620mm、ホイールベースが2640mmとなっています。
全幅が1800mmと少しの大きさであり、最小回転半径も5.2mと小さめのため、取り回しのしやすい車両であるといえます。
サイドのデザインに関しても今回の年次改良において大きな変更はくわえられていません。
スタイルとしてはオーソドックスなスクエアに近いスタイルとなっていることで後席の乗員の頭上スペースやラゲッジスペースも十分に確保された機能性の高いSUVであることがシルエットからもわかります。
また、フロントフェンダー、リアフェンダーまわりにふくらみをもたせていることでSUVらしい力強さをそのシルエットからも感じさせるものとなっています。
また、ホイールアーチやサイドスカートまわりにも樹脂パーツが用いられている点がSUVらしさを強調しています。
サイドデザインにおけるグレードごとの違いとしてはルーフレールがZ、Sグレードに標準装備であること、ウィンドウモールにZ、Sグレードにはメッキ加飾が施されている点が挙げられますので、注意です。
また今回の年次改良においてグレードは限られますが、ツートンカラーが採用されており、そちらを選択するとルーフおよびドアミラーがブラックアウトされることでより引き締まったシルエットとなります。
ホイールデザインはこのようになっており、こちらも年次改良によってデザインの変更などは行われていないようです。
こちらはZグレードの車両のため、タイヤサイズは225/50R 18インチとなっています。
また、それ以外のグレードのホイールデザイン、タイヤサイズはこのようになっており、こちらもグレード毎に固定となっており、オプションなどで変更不可となっているため、注意です。
リアに回り込んできました。
リアデザインに関しても年次改良によって大きな変更は加えられておらず、唯一、HEVのエンブレムが最新仕様になっている程度となっています。
そのため、外観に関する今回の年次改良のポイントは、グレーに新色が追加されたことと、ツートンカラーが採用されたことであり、グレードによっては年次改良前後で見分けをつけることはほぼできないかと思います。
リアデザインにおけるグレードごとの装備の違いとしては、テールランプの発光の仕方がZグレードのみライン状の発光するものとなっている点とリアのバンパーのカラードの処理がZ、Sグレードでは金属調、G、G”X”グレードではブラックとなっているため、注意です。
ライトチェック
内装紹介
内装紹介、まずはトランク容量からです。ハンズフリーバックドアはZグレードのみ標準装備となっています。
SUVということで、高さ方向に余裕のあるラゲージとなっており、横方向も抉られているため、実用性が高いものとなっています。
床下収納は最小限といった形となっています。
またその他装備として、HEV仕様にはオプションでアクセサリーコンセントが装着可能となっています。災害対策としても有効ですし、アクティブな趣味にも活用できるため、装着を検討したい装備となっています。
また、後席を6:4で分割可倒することが可能となっており、ご覧のように荷室を拡大できます。フラットではなく、段差がありますが、緊急時などには重宝することになるかと思います。
続いて運転席まわりについてです。
運転席のドア内張はこのようになっており、上面やドアノブ付近の手の触れる部分などにはソフトパッドの素材が使われることで質感が担保されていますが、それ以外の部分に関してはハードプラの素材が使われており、高級感などはなく、価格相応の質感といった印象ではありますが、ご覧のようなドアグリップがあることでギア感が演出されており、この車両のキャラクター性にはマッチしているように思います。
乗り込む際は、サイドシルがそこまで分厚いこともなく、頭上スペースもしっかり確保されているのでスッとそのままの姿勢で楽に乗り込むことが可能です。
ステアリング周りに関してはその他のカローラシリーズとデザイン及び機能として共通のものが装備されており、左側にオーディオおよびメーター情報の切り替えスイッチ、右側にレーダークルーズ関連の操作スイッチとなっています。
メーターデザインはこのようになっていますが、こちらは年次改良前のものとなっており、今回の年次改良のトピックであるフル液晶メータの採用が挙げられます。
ご覧の通り、12.3インチの液晶メータが今回の年次改良によって採用されたことで、様々な情報表示に加えて、メーターデザインのカスタムも可能となっています。
注意点としてはこちらはZグレードのみの装備となっている点であり、Sグレードには7インチの液晶メーター、G、G”X”グレードには4.2インチのメーターとなっています。
ただ、7インチ液晶メータに関しても今回の年次改良によって、メーター情報表示量が改善されているようですので、日常使いにおいて不満に感じることはないかもしれません。
予防安全系装備に関しても今回の年次改良によってアップグレードが行われており、前走車との距離を維持しつつ、一定車速で走行するレーントレーシングアシストの機能などに加えて、ステアリング、ブレーキ操作をサポートするプロアクティブドライビングアシストや、プリクラッシュセーフティに右左折時の対向方向からの横断歩行者検知機能を追加されています。
この機能は全車標準装備となっており、どのグレードでも年次改良の恩恵を受けられるのは非常にありがたいです。
また、さらなる安全装備として、車両がアクセルやハンドル操作を行い、駐車を支援するアドバンスドパークの機能や、車両周囲の状況をカメラにて把握することのできるパノラミックビューモニターの機能が用意されており、こちらZ、Sグレードのみオプション装備となっているため、運転に不安のある方にとっては要検討かと思います。
ちなみにパノラミックビューモニターを採用することでドアミラーにつく補助ミラーを外すこともできるため、見た目の恩恵もあります。
運転席からの視界はこのようになっており、ドアミラー、Aピラー間の視界も確保されており、ナビが視界の稜線と被ることもなく、後方視界も良好な印象ですので、比較的扱いやすい車両ではないかと思います。
ナビ画面に関しては今、ご覧いただいているのが改良前の9インチナビとなっており、今回の年次改良によって、サイズが拡大され、10.5インチナビが採用されることとなりました。
10.5インチナビに関してはZグレードのみオプション装着可能となっているため、注意です。
オプション選択しなかった場合は8インチのナビが装備されることとなりますが、こちらも年次改良によって、7インチから8インチに拡大されているので、年次改良の恩恵を受けることはできます。
その下にはエアコン関連のスイッチが独立して設置されており、ボタンも大きいので操作性はいいものとなっています。ただその他のカローラシリーズと共通の意匠のため、ピアノブラックのパーツとなっていますが、SUVボディには少し合わないデザインに感じてしまいました。
その下にはシートヒーターのスイッチがあり、その下部には置くだけ充電スポットが設けられていますが、こちらはZグレードのみ選択可能なオプションとなっています。
その後ろに走行モード切り替えスイッチが設けられており、エコノーマルパワーと切り替えが可能となっています。
そしてその後ろにゲート式のシフトノブがあり、電動パーキングブレーキ関係のスイッチがあり、その後ろにペットボトルホルダーが二つあります。こちら特に底上げ機能などはなくシンプルなものとなっていました。
アームレストの深さはそこそこで、ティッシュボックスなどは入らなそうです。シガーソケットがこちらに備え付けられていました。
シートに関してはzグレードが本革とファブリックのコンビネーション、それ以外がファブリックのシートとなっています。
質感としてはご覧の通り、ファブリック部分のシートがかなり柔らかく、身体を支えるといったハリ感があるシートではなく、包み込むといった印象のシートでした。これなら長距離移動も快適そうであり、デザインもスポーティなものとなっています。快適装備としてはZグレードのみシートヒーターが標準装備となっています。
続いて後席周りの内装紹介です。
ドア内張の質感としては前席同等の印象となっており、繰り返しとなりますが、価格以上の高級感が感じられるものとはなっていません。
乗り込みに関してはドアの開き具合に関しては広い印象ですが、開口幅はあまり大きくない印象ですので足の運びはサイズ感の割には窮屈さを感じるかもしれません。
足元スペースとしては身長170cmの私のドライビングポジションに合わせた状態でギリギリ足を組めないレベルでしたので、足元スペースとしては十分なスペースは確保されているように思います。
センタートンネルの張り出しはそこまで大きくなく、後席3人乗りの状態でもそこまで窮屈感は感じなさそうです。
Sグレード以上にはリアのセンターアームレストが標準装備となっています。
ただシートの倒し方としては6対4の分割となっているため、真ん中だけ倒して長尺物を積めるようにするといったバリエーションはできないことが少し残念です。SUVに乗るユーザーの場合、スキーなどに出かける人も多いかと思いますので、需要はありそうな気がします。
後席シート形状はこのようになっており、サイドのサポートが少し張り出した立体的なシートとなっており、前席同様、包み込んでくれる形状となっており、快適性重視のものとなっています。
またシートにはリクライニング機能が備えられており、多少角度をつけることが可能となっています。
後席からの眺めはこのようになっていて、この展示車両にはパノラマルーフがオプション装着されていました。このパノラマルーフの開口面積はかなり広いので、後席まで十分光が届き、後席の快適性がかなり向上すると思います。こちらsグレード以上のオプション装備となりますが、是非装備すべきかと思います。
見積シミュレーション
カローラクロスを購入するならという妄想で見積シミュレーションを行ってみました。
グレードはHEVのZを選択、私の地域ではあまり降雪もないのでFF仕様として、ボディカラーをホワイトとブラックのツートン、オプションとしては、パノラマルーフやパノラミックビューモニターなどを選択していきました。
最終的にご覧のオプションを選択したことで合計が約390万円となっています。
カローラクラスでもこのくらいの価格帯になっているということで車自体の値段が全体的に上がっていることをヒシヒシと感じますね。
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