本記事の内容について
今回の記事では、先日トヨタ自動車より発表されたシエンタ改良モデルの改良ポイントを紹介していきます。
グレード体系
まずはグレード体系についてです。
こちらはご覧の通りとなっており、今回の改良のタイミングで変更はありません。
シエンタのグレード体系は最上級グレードのZ、ベースグレードのG、エントリーグレードのXが設定されており、これに加えて、HEV仕様とガソリン仕様があり、またHEV仕様には2WDと4WD仕様があり、さらには5人乗り、7人乗り仕様があるため、バリエーションとしては全18バリエーションと膨大な組み合わせがあります。結果として車両本体価格はご覧の通りとなっており、価格レンジも広めとなっています。
パワートレーンに関しても大きな変更は実施されておらず、シエンタのパワートレーンとしては1.5L 3気筒エンジンが搭載されたガソリンエンジンの仕様と、このガソリンエンジンにモータを組み合わせたHEVの仕様が設定されています。
外観紹介
外観紹介、今回紹介する車両は改良前のZグレードの車両となります。
まずはフロントフェイス周りからになります。
こちらの展示車のボディカラーはベージュとなっていますが、その他にもシエンタにはご覧の全9色のバリエーションが設定されており、今回の改良のタイミングでホワイトのボディカラーがプラチナホワイトに変更され、ブルー×グレーのツートンの代わりにアーバンカーキ×グレーのツートンが設定された点がポイントです。ただしグレードによって選択できるカラーが異なる点は要チェックとなっています。
フロントフェイス周りのデザインに変更はなく、先代からのキープコンセプトのデザインが与えられており、丸みを帯びた四角く開口されたグリルデザインや、ポップな印象を与えてくれる半円状のLEDで縁取られたライトユニットなど、優しい印象を与えてくれるフロントフェイスとなっていることで親しみやすさを感じさせてくれるものとなっています。
グレードごとの装備差分としてはグリルのシルバーの金属調の加飾はZグレードのみの装備となっています。
また、機能装備として、対向車や歩行者を検知し、防眩するアダプティブヘッドライトの機能がZグレードにのみ標準装備となっており、それ以外のグレードの場合、その機能はなく、見た目も異なるため、注意です。
サイドに回り込んできました。
シエンタのボディサイズは改良前後で変更なく、全長4260mm、全幅1695mm、全高1695mm、ホイールベースが2750mmとなっています。先代からのボディサイズの変更がなく、ホンダの新型フリードがグレードによっては3ナンバーサイズを超えるものがあるなかで5ナンバーサイズが維持されているのがいい点かと思います。
デザインとしてはボディの側面にはプレスラインなど入っておらず、フラット面となっていることで、こちらでも親しみやすいデザインとなっていることがわかります。また、アクセントとして先代のシエンタからあった樹脂パーツのアクセントが入っています。これがあることでフラットな面の間延び感の防止と、ギア感の演出がなされています。
ルーフのラインも一直線で後端につながるのではなく、ラウンドしながらつながっていることでこちらでも親しみやすさを感じるデザインとなっています。
Cピラーの処理は最近のトヨタのミニバンデザインの例にもれず、大きなガラスでブラックアウトされており、視界の確保がなされています。
ボディサイドに感しては改良前後でデザインなどの変更はなく、グレードごとの差分はありません。
ホイールサイズとしては185/65R 15インチのホイールが装着されています。
Zグレードがこちらのデザインとなっており、それ以外のグレードがご覧のデザインとなっています。
どのグレードでも標準装備はいわゆる鉄チンホイールとなっており、Z、Gグレードはオプションでご覧のアルミホイールへと変更することが可能ですが、ボディーカラーによってはこのブラックホイールの方が似合っていると感じられる方も多いかと思います。
リアに回り込んできました。
リアも丸みを帯びたデザインとなっており、Cピラーからテールランプにかけてつながりのあるデザインとしているのは昨今のトヨタ車のミニバンデザインの流れを汲んでいます。
リアの下部にはフロントにあったような樹脂パーツのスポイラーのようなものはなく、少し寂しい感じがあります。マフラーに関してもかなり小径のものがちょろっと見えている状態となっているので、せっかくなら隠しきるデザインの方がよかったかなと思います。
装備面の注意点としてはこのドット柄のポップなデザインのテールランプはZグレードのみの装備となっており、G、Xグレードではご覧のテールランプ形状となるため、結構印象が変わります。この見た目を気に入った場合はZグレードを選択する必要があるため、注意です。
内装紹介
内装紹介行っていきます。まずはトランク容量についてです。
こちらが7人乗り、3列シートを使用している状態でのトランク容量となっており、この状態でも買い物袋であったり、旅行鞄などを十分収納することができると考えられます。
また、こちらが3列目シートを格納し、2列目を跳ね上げた状態、つまり最も収納スペースを広げた状態となっています。こうすることで自転車も搭載できるほどの広大な荷室容量を担保することができます。ご覧の通り、この状態では3列目シートが2列目シートの下に完全に収納されており、このシートレイアウトは見事だと思います。
ちなみに3列シートがある車両ではご覧の通り、トランク床と格納後の3列目シートの間に段差ができてしまっていますが、こちらの5人乗り仕様ではその段差がなく、完全にフラットな床面となるため、こちらの状態もかなり魅力的であり、自身の使用環境で乗車人数を選択されればよいかと思います。
注意点としては災害時やキャンプなどで車を使用する場合にほしくなる外部給電機能がHEV仕様のみのオプション設定となっている点が挙げられます。
続いて運転席周りについてです。
この車両の内装色はブラックの仕様となっていますが、シエンタにはご覧の6色のバリエーションが設定されています。ただ、こちらはグレードによって選択できる内装色が異なるため、注意です。
ドアの内張に関してはこのようになっており、ドア開閉用のくぼみがこの位置にあるのは結構個性的でしたね。確かにもちやすかったですし、少しの力でドアの開閉ができました。
基本的にハードプラがほとんどを占めていましたが、ご覧の通り色合いを変えたり、手で触れる場所にはファブリック素材を使うなど工夫されており、質感の低さなどは感じませんでした。下部のポケットも広めにとられており、実用性も高そうです。
乗り込む際も開口幅が大きめにとられているため、頭をかがめることなく、自然な姿勢で乗り込むことができます。
ちなみに、今回の年次改良によってドアの解錠施錠をスマートフォンアプリにて実施可能となるデジタルキーの機能が追加され、Z、Gグレードでオプション選択可能となっています。
ステアリングデザインはこのようになっており、基本的にはヤリスと共通のデザインであると思われ、左側にオーディオなどの操作系、右側に運転支援関係の操作スイッチが配置されています。
ちなみにZグレードでは本革仕様となっていますが、それ以外ではウレタンとなっており、Gグレードはオプション選択可能となっています。また、快適装備であるステアリングヒーターはZ、Gグレードにオプションとなっています。
メーターデザインはこのようになっており、Zグレードの場合、7インチの液晶メータが搭載されており、各種情報切り替えがご覧の通り可能となっています。それ以外のグレードの場合はアナログメータと4.2インチの液晶メータの組み合わせとなり、オプションでの変更も不可となっているため、注意です。
運転支援関連ですが、シエンタにはトヨタセーフティセンスの機能が標準装備となっているため、右左折時にも対応したプリクラッシュセーフティや前走車と距離を一定に保って走行するレーダークルーズコントロールなどの機能が装備されています。
また、さらなる運転支援機能である車両の周囲をカメラにて確認できるパノラミックビューモニターの機能が今回の改良のタイミングでZ、Gグレードに標準装備となりました。安全装備の拡充はうれしいところですね。
加えて、車両が自動で駐車を行うアドバンスパーク機能をZグレードのHEV仕様にはオプション装備可能な点もポイントですので、より充実した安全装備を求められている方は要チェックとなっています。
私の運転席からの視界はこのようになっており、ドアミラーとAピラーの隙間が大きく取られており、歩行者の見落としなどの未然防止はできそうです。ただ、ナビの上面がダッシュボードの稜線とぎりぎりかぶりそうであったのが気になりました。低めのドライビングポジションをとる場合は少し視界を妨げるかもしれません。
ナビ画面としてはこちらの10.5インチナビが今回の改良でZグレードに標準装備となっており、より魅力的なグレードとなっている点がポイントです。
その下にはエアコンの操作関係のスイッチが物理スイッチとして配置されており、操作性も考慮されている印象です。
その下にはおそらくスマホ置き用のスペースがあり、すぐ近くにUSBポートが備えつけられています。
その横には電子式のシフトノブが備え付けられていますが、こちらはZグレードのHEV仕様のみの装備となっており、それ以外の仕様では画像のゲート式のシフトとなります。アドバンスドパークなどの装備には機械式でなく電子式のシフトが必要なため、ZグレードのHEV仕様しか装備できないのはこれが理由ですね。
その下には外部給電用のコンセントやシガーソケットが装備されています。
センターのアームレストはなく、若干の段差はありますが、後席からのウォークスルーができるようになっているのもポイントです。
その他デザインとしてはダッシュボード全面にファブリックがふんだんに使われており、グローブボックス上にはちょっとした小物置き場があるなど収納スペースも十分確保されている印象です。
シートの形状としてはご覧の通りであり、スポーツシートほどではないですが、サイドのサポートもあり、Zグレードの場合、撥水加工などもなされているため、快適性を担保しつつ、アクティブな用途にも対応できるシートとなっています。ちなみに快適装備であるシートヒーターの機能は別途オプション選択する必要があります。
続いて後席についてです。
シエンタはXグレード以外はデュアルの電動スライドドアとなっていますが、Zグレードでは足を差し込むだけで開閉可能となっており、Gグレードにもオプション装備が可能となっています。
後席ドアの内張としては、前席と異なり、ファブリックなどの素材は使われておらず、少し質感としては寂しい印象でしたが、ペットボトルホルダーなどが備え付けられています。またZグレードにはサンシェードも装備されていることがポイントです。
足元スペースとしては2列目シートを最も前に出した状態でこれだけのスペースがあるため、3列目シート分の足元スペースを確保しても十分快適に過ごすことができると思われます。
また、3列目に人が乗っていない際はご覧の通り、シートを後ろにスライドさせることで足元スペースを広げられ、足を余裕で組めるほどのスペースがあります。
また、USBポートやスマホ用のポケットがあるなど、機能性も問題ないかと思います。
また、快適装備として今回の年次改良のタイミングで脱臭効果やウイルス除去効果のあるナノイーX搭載のシーリングライトがディーラーオプションで選択できるようになっています。
シート形状としてはサイドの張り出しが少ないフラットなシート形状となっており、快適性は高かったです。またご覧の通り、リクライニング角度を大きく取ることができるため、3列目の人と相談ですが、
かなりリラックスした体制をとることができます。
続いて3列目シートについてです。
3列目シートの足元スペースとしてはご覧の通りとなっていますが、こちらは2列目シートをかなり後ろまで持ってきた状態となっており、その状態でもギリギリ背もたれとのスペースが確保できていました。
また3列目シートもご覧の通り、ある程度のリクライニング角度をつけることができ、2列目シートの方との譲り合いとあわせて快適性を担保することが出来そうですが、2列目シート下に格納する機構を持たせるためにシートクッションの厚みが薄いため、シート自体のクッション性は心もとない印象でした。
こちらは機能性とのトレードオフなので仕方ないところですね。
そのため、シエンタの場合は7人乗り状態はあくまで緊急時であり、常時7人乗りするような使われ方の場合はノアなどのより上位のミニバンを選択すべきかと思います。
まとめ
まとめです。
こちらが今回のタイミングで実施された改良ポイントとなっています。
内外装に大きな変更は加えられていませんが、これまでオプションであった装備が標準装備となっていたりとより商品力を高める改良であったことがわかります。
購入検討の参考となれば幸いです。
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