本記事の内容について
今回の記事では、先日トヨタ自動車より発表された、クラウンスポーツの改良内容と、同タイミングで設定されたエントリーグレードとなるGグレードの装備内容に着目しながら紹介していきます。
最後には見積シミュレーションを実施しており、エントリーグレードが追加されたことで、購入金額がどのくらいとなるのか要注目です。それではご覧ください。


基本情報
まずはグレード構成についてです。
クラウンスポーツには、これまでSPORT RS、SPORT Zの2グレード構成となっていましたが、こちらにエントリーグレードとしてGが設定され、それぞれの車両本体価格はご覧の通りとなっています。
搭載されるパワートレーンとしては、直列4気筒2.5Lエンジンにモーターを組み合わせたHEVシステム、もしくはPHEVシステムとなっており、PHEVはRSのみ、Z、GはHEVシステムが搭載されています。GはZに対して70万円安となっており、後ほど紹介する装備内容によっては、かなりお買い得な仕様となると考えられるため要注目です。

続いて、パワートレーンの詳細についてです。
クラウンスポーツでは、パワートレーンとして2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジン+電動モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを全車に搭載し、E-Fourと呼ばれる電気式4輪駆動システムを標準採用しています。

まず、SPORT RSではPHEVを採用しています。
エンジンは177馬力/219N・m、加えてフロントに182馬力/270N・m、リアに54馬力/121N・mのモーターを搭載し、システム合計306馬力の力強いパワーを発揮します。
満充電時にはEV走行距離90kmを実現し、ハイブリッド走行燃費は燃費モードWLTCで20.3km/Lとなっています。
一方、SPORT ZおよびSPORT Gは従来のHEVシステムで、エンジンは186馬力/221N・mに加え、フロントモーターが120馬力/202N・m、リアモーターはPHEVと同じ54馬力/121N・mとなっています。システム合計出力は234psで、WLTC燃費は21.3km/Lとなっています。
PHEVの強みは、モーター駆動による滑らかで力強い加速と、最大1200km超の長距離航続能力です。
EV走行エリアを活かした街乗りではガソリン消費を抑えられる一方、遠出時にはエンジン+モーターで力強く走れます。
HEVモデルは軽量でレスポンスに優れ、CVTの制御と回生ブレーキにより、高い燃費性能と静粛性を両立。エンジン回転は常に最適化され、スムーズな加速と効率的な走りが可能です。
また、全グレードにE-Fourが搭載され、前後輪の駆動力配分を最適化。さらに後輪操舵が採用されており、低速時の小回り性能と高速安定性が向上しています。

ドライブモードはECO/NORMAL/SPORT/CUSTOMの4種類を備え、シーンに応じた走行特性に切り替え可能です。

ご購入を検討される方は、普段の走行距離や使用エリア、充電環境の有無によってPHEVかHEVを選ぶ基準にしていただければと思います。
外観紹介
外観紹介、まずはボディカラーについてです。
クラウンスポーツには、ご覧の通り、全11バリエーションが設定されています。モノトーンに加えて、ブラックルーフとのツートン仕様も設定されており、より個性的な外観演出が可能となっています。
たとえば、メーカーオプションとして設定されている「エモーショナルレッドⅢ」や「マスタード」は、曲面の陰影を際立たせ、スポーティな印象を強調します。エントリーグレードのGにおいても、全バリエーションからボディカラーを設定できる点は、うれしいところです。

続いて、フロントフェイス周りについてです。
フロントフェイス周りに関しては、HEV仕様とPHEV仕様で大きな変更はありません。
このクラウンスポーツのコンセプトは、「ひと目見てWowと感じる外観を目指した」とのことで、そのコンセプト通り、薄くシャープなヘッドライトや、幅広感を感じさせるグリル形状など、躍動感を感じさせるシルエットとなっており、見た目だけで「欲しい」と思わせてくれる非常にかっこいいフロントフェイスとなっています。

この特徴的な薄いヘッドライトは、デイライトとなっており、ハイ・ロービームに関しては下部のライトユニットにて切り替えを行う方式となっています。こちらのライトユニットには、対向車などを検知し、自動的に防眩することでハイビームを有効活用できるアダプティブハイビームの機能が備わっていますが、Gグレードの場合は、ハイビームのオンオフを切り替える「オートマチックハイビーム」となっている点は要チェックです。



このどっしりと構えるフォルムは、従来のクラウンの守ってきた「全幅1800mm」の制約の中では達成できなかったものだそうで、デザイナーや開発陣の「かっこいいクラウンを作りたい」という意気込みを感じさせてくれるフロントフェイスとなっています。

サイドに回り込んできました。
クラウンスポーツのボディサイズは、全長4720mm、全幅1880mm、全高1565mm、ホイールベース2770mmとなっています。この数字をクラウンクロスオーバーと比較すると、全長-210mm、全幅+40mm、全高+20mm、ホイールベース-80mmとなっています。

見た目からしてそうですが、伸びやかなシルエットとなっているクロスオーバーに対して、全長が短く、全幅が大きくなっていることで、より凝縮感の高まったシルエットとなっていることが特徴です。結果としてホイールベースも、クラウン車系の中では最も短いものとなっているため、後席の快適性などがどうなっているかは、内装紹介にてお伝えします。
サイドのデザインの特徴としては、抑揚あるボディのフォルムが挙げられます。デザイナーの方も、このサイドボディに映り込む景色の移ろいを楽しんでほしいと言われていた通り、サイドのキャラクターラインを廃し、ボディの面の表情によって質感の高さを表現する手法となっています。

この抑揚あるボディのかっこよさに一役買っているのが、リアフェンダーの盛り上がりであり、フロントから絞り込まれたボディがリアのフェンダーで非常に盛り上がっていることで、踏ん張り感とともに、ボディサイドの表情の変化に大きな影響を与えています。こちらのフェンダーの絞り込みは、ボディをプレスして形を作る工程の限界に挑戦しているということで、ここにもこのクラウンスポーツのデザインにかけるこだわりを感じます。

バイトーンとなることで、ドアノブ、ルーフがブラックアウトされ、より引き締まった印象を与えてくれるとともに、バイトーンからの塗り分けはマスキングによって行われているということで、バイトーンを選択しなくとも塗装の境界で段差が現れるといったこともなく、見た目が損なわれない配慮もなされています。
ホイールデザインはこのようになっており、こちらのブラックのホイールが採用されていることで、足元が引き締まった印象を与えてくれます。タイヤサイズは235/45R 21インチの大径タイヤとなっており、クラウンスポーツのサイドシルエットの迫力にも貢献しています。

オプションのホイールデザインは設定されていませんので、クラウンスポーツではこのホイールデザイン一択となりますが、PHEV仕様ではHEV仕様のグロスブラックに対し、こちらのマットブラックカラーのホイールが採用されることで、よりスパルタンな見た目の印象となります。
今回の改良のタイミングで、タイヤの幅を235から225へと薄くするオプションがPHEVであるRSのホイールにも設定され、走行時のノイズが気になるなどといった方には、検討の余地ありとなっています。

また、ブレーキに関しても、HEV仕様ではシルバーのキャリパーカラーに対し、PHEV仕様ではレッドカラーが採用され、よりスポーティな見た目となります。

リアに回り込んできました。
特徴的なのは、リアからもわかるフェンダー周りのボディの絞り込みであり、空力特性向上の側面もあるかと思いますが、なだらかに傾斜しているルーフのラインのスポーティさも相まって、トランク容量確保といった実用性よりもデザインを優先した結果となっており、ここまで突き抜けられたのは群戦略を採用したためであり、クラウンでそれを実現できるトヨタ自動車の開発力に驚きです。


内装紹介
内装紹介、まずはトランクルームからです。
クラウンスポーツのラゲージスペースは、スポーツSUVとしてのデザイン性を損なうことなく、実用性にも配慮された設計となっています。トランク容量はご覧の通りとなっており、外観紹介で申し上げたとおりデザイン優先の見た目となっているため、容量としては車幅ほど大きくない印象です。左右方向に関してはしっかりとえぐられていますが、ルーフのラインの影響やトランク床下が比較的高いため、背の高い荷物の積み込みは苦手となっており、床下収納もほとんどないようです。



機能性としてはHEV車両であるため、外部給電用のソケットが標準装備となっています。

トランク容量に関しては、他のクラウン車系やレクサスNXなどにも劣ってしまっているようですが、見た目のデザインの良さとトレードオフとなっているので悩ましいところです。ちなみに緊急時などには、後席が6:4で分割可倒でき、フラットな荷室空間を確保することができるので、普段の使い方で不満に感じることはないかと思います。

グレードごとの装備違いとして、ハンズフリーパワーバックドアがSPORT RSおよびSPORT Zに標準装備されており、スマートキーを携帯している状態でリアバンパー下に足を出し入れするだけで自動開閉が可能です。買い物などで手がふさがっているときでも快適に荷物を出し入れできますが、Gには装備不可となっています。

続いて運転席周りについてです。
インテリアカラーはブラックを基本としながら、グレードにより異なる演出が施されています。
特にSPORT RSでは、これまで選択できなかったブラックのインテリアに加えて、ブラックとセンシュアルレッドのコンビネーションによる「ブラックレッドパッケージ」がメーカーオプションで用意されており、より情熱的なスポーティ感を演出しています。SPORT Zにはサンドブラウンの内装色も設定されており、落ち着きと洗練を兼ね備えた空間に仕上がっています。



ドアの内張はご覧の通り、ほぼ全面がソフトパッドで覆われ、ウィンドウ台座にはピアノブラックのパーツ、アクセントとしてブロンズの加飾が与えられています。スポーティな見た目に加え、クラウンらしい質感も担保されており、質感としてはクロスオーバー相当のものが与えられている印象です。

PHEVの専用色であるレッド内装でも質感は変わらず、運転席側の内張はブラック、助手席側がレッドとなっていることで、運転席と助手席が視覚的にも明確に分けられ、より運転に集中しやすい環境となっています。

乗り込みに関しては、サイドシルがそれほど分厚いわけでもなく、SUVのため頭上スペースがしっかり確保されているほか、運転席やハンドルが乗り降りしやすいようにスライドするイージーアクセス機能も備え付けられています。ただし、RS・Zは運転席シートも含めてスライドするのに対し、Gではハンドルのみとなっています。


ハンドルはクラウン専用のものとなっており、ドア内張同様のブロンズ装飾が与えられて質感が高められています。HEV仕様にはクロスオーバーと同様の色違いが採用されていますが、残念ながらHEV仕様にはパドルシフトが設定されていません。PHEV仕様では、専用のパンチングレザーとレッドステッチが施されたステアリングに加え、パドルシフトも装備され、よりスポーティな内装となっています。運転の際に最も手で触れる部分ですので、ここに専用品が与えられているのは所有満足度に大きく影響しそうです。

ボタン配置は左側がディスプレイ操作系、右側が運転支援系でまとめられています。快適装備としてステアリングヒーターがありますが、こちらもGグレードには装備不可となっています。

メーターはクロスオーバー同様、全面液晶化されており、複数テーマの表示に加え地図も投影可能で、情報表示量が大幅に向上しています。運転モード切替時には専用のアニメーション演出も入り、気分を盛り上げてくれます。メーター情報の充実に加え、ヘッドアップディスプレイが全グレード標準装備されている点もありがたいところです。




予防安全装備も最新世代が与えられており、レーダークルーズコントロールやハンドル支援に加え、パノラミックビューモニターが標準装備です。ただし、Gグレードでは緊急時の操舵支援や自動駐車のアドバンスドパーク、渋滞時運転支援のアドバンスドドライブが省かれる点に注意が必要です。




運転視界はAピラーとドアミラーの死角が少なく、ナビも視線の妨げになりません。ボンネットフードが見えるため、車両感覚もつかみやすい印象です。デジタルインナーミラーはRS・Zに標準、Gではオプションとなります。



ナビは12.3インチのディスプレイオーディオが全車標準装備。RS・Zには通信途絶時でも案内を継続できる「plus」機能が付きますが、Gは通常仕様です。オーディオはRS・Zが10スピーカー+アンプ、Gは6スピーカーとなっています。

ナビ下部にはエアコンやシートヒーターなどの物理スイッチがシンプルに配置され、操作性を確保。
センタートンネルには縦置き型のワイヤレス充電器が標準装備され、走行中にスマホが滑り落ちない設計です。その後ろに小ぶりな電子シフトノブ、ドライブモードセレクター、縦並びのドリンクホルダーとUSBポートが配置され、ピアノブラックのパネルが高級感を演出しています。



アームレスト内収納も十分でUSBポートを備えます。

シートデザインはグレードで差別化され、SPORT RSは赤ステッチ入りスポーツレザーシート、SPORT Zは本革スポーティシート、Gはファブリック+合成皮革のコンビシートです。シートヒーター&ベンチレーションはRS・Zに標準、Gには非装備のため留意してください。

後席ドア内張もブラック基調にピアノブラックとブロンズ加飾を組み合わせ、前席同等の質感を確保しています。乗り込み時の開口幅はやや狭めですが、頭上スペースは十分です。


足元スペースは身長170cmの私で手の平一枚分。窮屈感はありませんが、クロスオーバーより余裕は少なめで、ホイールベース短縮の影響が見られます。

運転席アームレスト後方にはエアコン吹出口とUSBポートがあり、その周囲にもピアノブラック&ブロンズ加飾が配され質感を高めています。

センタートンネルの張り出しはやや大きめなので、後席3人乗車時は譲り合いが必要です。
アームレストはペットボトルホルダー付きのオーソドックスなタイプ。
シート形状は前席ほどのサポート性はなく、スポーツ走行時に後席へ人を乗せるには向かない印象です。PHEVでもHEVと形状差はなく、やや張り出したサイドで立体感を出しています。

オプションのパノラマルーフ装着車ではさらに開放感が高まりますが、選択できるのはRS・Zのみで、Gでは装備不可です。

見積シミュレーション
最後に、追加されたGグレードに関して、見積シミュレーションを実施しました。
ボディカラーは無償色の「アッシュ」を選択し、インテリアカラーはブラック一択となっています。オプションに関しては、メーカーオプションとしてほぼ選択肢がなく、デジタルインナーミラーを選択。
加えてディーラーオプションとして、基本的なものであるマット、ナンバーフレームを選択すると、合計金額としては約545万円となりました。


550万円を切る、非常に魅力的な価格帯となっており、クラウンスポーツの「欲しくなるカッコよさ」に関しては、Gグレードであっても損なわれることはありません。パノラマルーフやシートヒーターの装備がないなど、快適装備に関しては劣る点はありますが、走りに関する部分もZと遜色ないかと思われ、これまで紹介してきた装備内容に満足できる方には、非常に魅力的な選択肢が加わったことと思います。購入検討の参考となれば幸いです。
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