本記事の内容について
今回の記事では、先日、レクサスのコンパクトSUVであるLBXに追加された新グレードのElegantに与えられた装備を他のグレードとの違いに着目しながら紹介していきます。
それではご覧ください。
基本情報
まずはグレード構成についてです。
LBXにはベースグレードは存在せず、装備の違いによってスポーティなイメージを強調した「Cool」、落ち着いたプレミアムな印象の「Relax」、ハイパフォーマンスモデルである「MORIZO RR」の3グレード構成となっていました。この3グレード構成の中にクリーンかつモダンな世界観を表現したElegantが追加され、車両本体価格としてはこれらグレードの中で最も安価な420万円からとなっています。
ハイパフォーマンス仕様であるMMORIZO仕様を除いて直列3気筒1.5Lエンジンにモータを組み合わせたハイブリッドシステムが搭載されており、FFもしくは4WDが選択可能となっています。
MORIZO仕様のパワートレーンの詳細に関してはこちらの過去記事にて紹介していますので、そちらご覧ください。ご覧の通り、Elegantは最も安価なグレードとなっているため、その装備の内容が価格と見合っているかどうかを以降に紹介する装備内容から判断いただければと思います。
続いてパワートレーンについてです。
LBXには直列3気筒1.5Lエンジンにモータを組み合わせたハイブリッドシステムが搭載されています。ヤリスクロスと同じパワートレーンの構成と勘違いされがちかもしれませんが、特に電動系のパワートレーンが刷新されており、より大電流を流せるバイポーラ型電池の採用などでフロントモータで14ps、44Nmアップとパワーアップしていることで、より電動走行領域の拡張されていることに加え、上質な走りが実現されているとともにバランスシャフトの追加によるエンジン振動の低減、新開発ショックアブソーバの採用によって、レクサスらしい上質な走りへのこだわりを感じる装備となっており、こちらはElegantのグレードでも共通となっています。
外観紹介
今回紹介する展示車の概要についてです。
Elegantの実車を撮影はまだできませんでしたので、Coolグレードの車両をベースにElegantの装備内容を紹介していきます。
外観紹介、まずはボディカラーについてです。
LBXにはバイトーンカラー含めてご覧の全12色が設定されています。
ただ、グレードによって選択できる外板色が細かく設定されており、「Cool」ではご覧の組み合わせ、「Relax」ではご覧の組み合わせ、「Elegant」ではご覧の組み合わせとなっており、注意が必要です。
このボディカラーの中でElegantのみが選択できるカラーとしてはアストログレーメタリックが選択できる点がポイントです。
続いてフロントフェイスまわりです。
LBXのフロントデザインにはユニファイドスピンドルというデザイン手法が取り入れられており、これまでのスピンドルグリルが上下に分割され、上半分には1本のラインがヘッドライトまで連続して繋がっており、下半分には格子状のスピンドル形状が形成されています。
これまでのグリルのみでスピンドルを表現する手法からフロントフェイス全体でスピンドル形状を表現するものとなっていますが、一目でレクサスとわかるデザインとなっています。
随所に与えられている細かな加飾に関してはすべて塗装されており、非常に質感高く、クラスの概念を超える高級車のコンセプトに忠実なものとなっています。
質感に加え、デザイン自体も幅広な印象を与えるボリューム感をもったものとなっており、塊感による存在感の高さが質感の高さと相まって高級車然とした雰囲気を高めています。
Elegantの仕様でもフロントフェイス周りに関しては他のグレードとの質感の差分はありません。
サイドに回り込んできました。
LBXのボディサイズは全長4190mm、全幅1825mm、全高1545mm、ホイールベース2580mmとなっています。
これはヤリスクロスと比較すると全長+10mm、全幅+60mm、全高-35mm、ホイールベース+20mmとなっており、よりローアンドワイドなシルエットとなっていることがわかります。
ただ、単純にデザイン優先というわけではなく、全高が1550mm以下とすることで機械式駐車場にも対応できるようにされていたり、最小回転半径がヤリスクロスよりも小さい5.2mであったりと、取り回し性にも配慮された、まさに気兼ねなく運転できる高級車であるといえます。
サイドのシルエットで特に目を引くのがやはりタイヤの存在感であり、コンパクトなボディに組み合わされた大径ホイールが凝縮感を強調しています。
また、サイドのボディラインに関してもリアフェンダーの盛り上がりを強調するように形成されており、こちらでもSUVらしい力強さを感じさせてくれます。そのようなシルエットでありながら、Bピラーのピアノブラック塗装や、シルバーメッキの加飾がルーフのラインに沿って与えられているなど、
高級車としての質感も担保されており、所有満足度を高めてくれるこだわりを感じるものとなっています。サイドデザインに関してもグレードごとで質感に差分があるということはありません。
ホイールデザインはこのようになっており、タイヤサイズは225/55R 18インチとなっていますが、
こちらはCool専用のホイールデザインとなっており、グレードごとで専用のホイールデザインが与えられており、Elegantの場合、1インチ小さい、タイヤサイズが225/60R 17インチのものが与えられ、
オプションでRelaxと同じデザインのホイールデザイン、サイズへと変更可能となります。
また、Coolグレードの場合、ブレーキキャリパーがブラックとなっており、足元が引き締まった印象となりますが、Elegantの場合、Relax同様、ブレーキキャリパーが無塗装となっています。
リアに回り込んできました。
最もコンパクトカー離れした存在感を放っていると思われ、リアフェンダーの盛り上がりを強調するラインがテールランプと連続性をもって集約されていることでその存在感をより大きなものとしており、
その幅広のボディサイドを一文字につなぐ個性的なテールライトが幅広感をより強調しています。
マフラーは隠されるデザインとなっており、リアバンパーサイドの加飾にもメッキパーツがあしらわれており、隙なしの質感となっています。
リアデザインに関してもグレードごとで質感に差分があるということはないため、総じて外観に関してはホイールデザインのみが差別化ポイントとなっており、好みに応じてグレードを選択できるようになっている点はうれしいところです。
内装紹介
内装紹介、まずはトランク容量からです。
トランク容量はご覧の通りとなっており、左右方向がかなりえぐられていることに加えて、SUVのため、高さ方向に余裕もあり、さらにはデッキボードを2段階で高さ調整することで容量も確保することが出来たりと、必要十分以上の容量が確保されていました。
この車両には非常時などの外部給電用のコンセントが装備されていましたが、こちらは「Cool」「Relax」同様、Elegantにはオプションとなっています。
また、後席を6:4で分割可倒することでご覧のようにゴルフバッグなどの長尺モノも収納可能となるため、実用性において不満に感じる場面はかなり少ないかと思います。
続いて、運転席周りについてです。
内装色に関してはLBXとしてはご覧の5パターンが設定されていますが、グレードによって選択できるカラーが異なっており、Elegantの場合はブラウン系のモーヴ、ホワイト系のソリスホワイトのみ選択でき、ブラック系のカラーは選択できない点は注意です。また、素材に関してもCool、Relaxに関しては
本革基調となっていますが、Elegantでは合成皮革であるLtex素材が使用されており、素材にも違いがある点は要チェックです。
ドア内張はこのようになっており、Coolの場合、上面がソフトパッド、ドア持ち手周辺にはスエード素材、ブラウンのステッチが施されていたりと、異なる素材が組み合わされることで質感の高さが表現されており、Elegantの場合はこれら素材がLtexに置き換えられる形となります。また、レクサス共通の装備として、ドアの開閉にはe-ラッチ機能が装備されており、ワンタッチでのドアの開閉が可能となっています。
乗り込みに際してはSUVのため、頭上スペースに余裕もあり、スッと乗り込むことが可能ですが、
レクサスお馴染みの乗降位置までシートやステアリング位置がスライドする機構はありません。
ステアリング形状はこのようになっており、Cool、Relaxでは本革の素材ですが、ElegantではLtex素材となります。
左側にオーディオ操作系、右側に予防安全系のスイッチが集約されていることに加えて、ヘッドアップディスプレイと連動したタッチトレーサーシステムが装備されていることで目線をそらさずに運転に必要な情報や、各種操作が可能となっていますが、こちらは「Cool」「Relax」同様、Elegantにもオプションとなっています。
また、乗り込みの際にお伝えした通り、ステアリング位置調整も電動ではなく、このあたりはレクサスの世界観統一という意味でも標準装備としてほしかったところですね。
その他機能としては、ステアリングヒーターが装備されていますが、「Cool」「Relax」に標準装備となっているパドルシフトがElegantには装備不可となっています。
メータ画面はこのようになっており、12.3インチのフル液晶メータが標準装備となっている点がうれしいところです。フル液晶メータとなったことでご覧のように情報量の拡張と合わせ、メータレイアウトの変更も可能となっており、他のレクサスで装備されていない車両もあるなかで、クラスのヒエラルキーを打ち破る車両であることがよくわかります。
運転支援系装備に関しても充実しており、最新のレクサスセーフティシステムが与えられていることで、前走車と一定の車間距離を保って追従するレーントレーシングアシストや、車両がカーブなどを検知した際に減速支援などを行うプロアクティブドライビングアシストなどが標準装備となっています。
加えて、車両周囲の様子をカメラでとらえ、ナビ画面に表示するパノラミックビューモニターも標準装備となっています。
さらなる安全装備として、渋滞時に車両が運転操作を実施するアドバンスドドライブやリモート操作にて車両が駐車を実施するアドバンスドパークなどのより高度な運転支援機能に関しては「Cool」「Relax」同様、Elegantにはオプションとなっています。
運転席からの視界はこのようになっており、Aピラーとドアミラー間の死角がないようになっており、ナビ画面も視界の稜線とかぶることはないため、視界は良好となっていますが、デジタルインナーミラーの設定はなかったため、注意です。
内装関係装備として、アンビエントライトの設定もあり、その時の気分に応じて照明の雰囲気を変更可能であり、光による演出でも質感が担保されていますが、Elegantではアンビエントライトがホワイトの単色しか選択できない点は注意です。
ナビ画面はこのようになっており、9.8インチのディスプレイが標準装備となっています。
エアコン操作やシートヒーターなどのオンオフなどもこちらで操作可能となっており、その他のレクサス車両と異なり、よりドライバーに近いレイアウトとなっていることで自然なドライビングポジションからタッチ操作可能となっています。
エアコン操作画面などがナビ操作になることで直感的な操作が難しくなるかもしれませんが、LBXにはその他のレクサス車同様、車両側が快適な空間となるよう、オートでエアコン操作などを実施するクライメイトコンシェルジュの機能を備えているため、問題はないかと思います。
オーディオシステムに関しては標準では6スピーカーレイアウトとなっており、レクサスお馴染みのマークレビンソンオーディオシステムに関しては「Cool」「Relax」同様、Elegantにはオプションとなっています。
ナビ画面の下部には置くだけ充電スペースが設けられており、スマホの充電が可能となっていますが、こちらも「Cool」「Relax」同様、Elegantにはオプションとなっています。またあまり大きなスマホのサイズには対応できなさそうですのでそちらも要チェックとなっています。
その後ろにはドリンクホルダーが1つ設けられており、その後ろには電子式のシフトノブが設けられており、そのパネルにも光沢感があるものが用いられていることで質感が担保されています。
その後ろにはもうひとつのドリンクホルダーがあり、その後ろにはアームレスト兼小物入れが設けられています。
シート形状はご覧の通りとなっており、肩まで支えるサイドサポートがしっかりしたシートとなっており、力の入らないドライビング姿勢を自然ととれるよう導いてくれる形状となっています。
また、ご覧のようにブラウンのステッチが入っていることで質感と「Cool」の世界観にあった見た目が演出されています。
「Elegant」の場合、シート素材がLtexとなることに加えて、ステッチのパターンも異なり、見た目の印象も大きく異なります。
快適装備に関してはシートヒーターは標準装備となっていますがシートベンチレーションに関しては
どのグレードでも装備不可となっているため、注意であり、残念なポイントとなっています。
続いて、後席周りについてです。
後席ドア内張はこのようになっており、前席同様の質感が担保されている印象であり、e-ラッチシステムも採用されていたりとこだわりを感じる質感となっています。
乗り込みに関しては頭上スペースは十分確保されていますが、ドアの開口幅はそこまで大きくないため、少し足の運びが窮屈な印象です。
足元スペースに関しては手の平1枚分はなく、窮屈ではありませんが、私の身長は170cmであるため、
より高身長の方に関しては事前に後席スペースの確認を行った方がいいかもしれません。
センタートンネルの張り出しはそこまで大きくありませんので譲り合いをすれば3人掛けも可能そうです。
シート形状はこのようになっており、前席ほどのサポート性のあるシートではありませんが、前席同様のステッチのパターンとなっており、質感の担保と見た目の世界観の統一がなされています。
後席関連の快適装備としてはシートヒーターやパノラマルーフなど含め装備不可となっているため、注意です。
後席周りに関しては使用されている素材などの質感は高いものが使用されていますが、機能性という意味ではヤリスクロスなどと比較してもう少しレクサス車らしい差別化ポイントが欲しかったところです。
見積シミュレーション
最後にElegant仕様での見積シミュレーションを行ってみました。
グレードはElegantの2WDを選択し、ボディカラーは専用の組み合わせであるアストログレーメタリック、内装色はモーヴを選択しました。この組み合わせではオプション料金は発生しません。
続けてオプションを選択していきますが、外観に関しては特に質感が低い箇所もないため、メーカーオプションは選択せず、ナンバープレートフレームのみ選択、インテリア関係でカラーヘッドアップディスプレイやフロアマット、置くだけ充電、デジタルキーなどを選択し、合計が約460万円となりました。
昨今の高騰している自動車の価格から考えるとそこまで驚くほどの価格ではなく、レクサスのこだわりを随所に感じる車両であるとともにレクサスディーラーのサービスも+αでついてくると考えると小さな高級車として、魅力的な選択肢であるかなと思います。購入検討の参考となれば幸いです。
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