本記事の内容について
今回の記事はDIYの記事となっており、私のスープラにTOM’s製のパワーボックスを取付け、
スープラのパワーアップを行いましたので、その取付の様子、効果のほどを紹介していきます。
取付部品について
まずは今回取り付けるパワーボックスについてです。
こちらはトヨタのオフィシャルチューナーとして、
モータースポーツ事業などを手掛けるTOM’sから発売されている商品であり、
スープラの配線に割り込ませることで
ブーストアップを実現、カタログスペック上、
最大出力を39PS、最大トルクを65Nmアップさせるパーツとなっています。
配線を外して割り込ませるだけですので、専門の工具なども必要なく、初心者でもDIYで取り付けできるのが特徴となっています。それでは早速取り付けていきます。
パワーボックス取付
まずは準備物についてです。
準備物としてはご覧の通りであり、パワーボックスの本体、配線に加えて、
タイラップも付属していましたが、追加で何本か購入しました。
また、コネクター保護のためのビニールテープも別途用意する必要があります。
その他にタイラップ切断用のニッパーが必要となります。
ドライバーセットも映り込んでいますが、
こちらは当初コネクタを外すのに必要かと思い用意しましたが、
実際は使用しなかったです。
取付作業開始していきますが、その前にエンジンを停止し、イグニッションをOFFにして、
スマートキーを車両から10m以上離し、15分以上待つ必要があるそうです。
この理由として、15分以上経過しないとセンサーの電源が切れず、
電源が入っている状態で配線のコネクタを外すと信号断線と認識され、
エンジンチェックランプが点灯する恐れがあるためです。
15分経ちましたので、作業開始していきます。
まずは、エンジンの意匠カバーを外していきます。
ボルトなどで固定されているわけではないので、引き上げるだけで外れます。
意匠カバーの裏は下図のようになっており、スポンジ状のもので裏がびっしりカバーされており、
エンジンからの余計な雑音を吸音してくれています。
また、4本のボス穴によってエンジンのヘッドカバーと締結されていることがわかります。
それでは、配線を取り付けていきます。
まずは本体と付属の配線についてです。
合計で3箇所を取り付ける必要がありますが、基本的に端子の数などが異なるため、
付くようにしか付きません。
この何もついていない端子はエラーなどが点灯した場合の復元用となっているため、
基本的には使用せず、これで本体と付属の配線が締結完了です。
続いて、車両側の配線との締結です。
まずは圧力センサーのサブ側についてです。
こちらに関しては画像のこの部分の端子を外し、間にパワーボックスの配線を割り込ませていきます。
ちなみにコネクタの外し方としては端子の白い部分をスライドして引き出し、
その白い部分を押し込むとロック解除となります。
ロックが解除できればそこまで力は必要ありません。
サブ側の圧力センサの端子の数は3つとなっており、
パワーボックス側の端子も3つのものが1つあり、
そちらを間に割り込ませる形となります。
下図がサブ側の圧力センサにパワーボックスの配線を割り込ませた状態となっています。
配線を割り込ませた分、配線の長さが延長されているのがお分かりになるかと思います。
続いて圧力センサのメイン側の配線についてです。
メイン側の圧力センサは画像の位置にあり、エンジンのヘッドカバーの中央あたりに位置しています。
こちらの端子については端子の数が4つとなっているため、
メイン側とサブ側で取り付けを間違えることはないかと思います。
下図がメイン側にパワーボックスの配線を割り込ませた状態です。
メイン側の端子もサブ側を外す際と同様の外し方で端子を外すことができます。
これでパワーボックスと車両側の配線作業は終了しましたので、
タイラップを使ってたるんでいる部分の配線を固定していきます。
下図がタイラップでの固定状態です。
タイラップの固定箇所については特に説明書の記述はなく、
作業者のセンスにゆだねられている部分となっています。
私はO型ですので、この辺りを結構雑にやってしまいがちですが、
意識したのは高温となりうる配管などにたかることがないようにしました。
基本的にこのパワーボックスの配線を追加した部分はエンジンの吸気側の作業であったので、
特に迷うことはありませんでしたが、排気管側の作業実施時には注意が必要かと思います。
後は必要に応じて、端子保護のため、ビニールテープを巻き付けておきました。
パワーボックスは画像の位置に付属の両面テープで固定しています。
そしてこの作業中に一番緊張するのが、パワーボックス本体とボンネットの干渉です。
作業事例で問題ないことは確認済みでしたが、閉める瞬間は祈ってました。
ボンネットを再び開けて確認するとパワーボックス本体は無事でしたので一安心しました。
その後、エンジンを始動させてみて、チェックランプの点灯有無を確認します。
チェックランプが消灯し、無事作業ができていたことが確認できました。ここも緊張しました。
エンジンも問題なく始動できましたので意匠カバーを取り付けて作業終了となります。
作業時間としては30分以内に完了できましたので、難易度はそこまで高くない作業かと思います。
一つ気になったのが付属の説明書の配線の画像が実際のものと結構異なっており、少し迷いました。
説明した通り、付くようにしか付かないため、間違えようはないですが、そうでなければ勘違いしそうになったので、要改善希望です。
このあと一般道と高速道路で効果を体感してみようと思います。
パワーボックス効果確認(走行の様子はyoutube動画をご覧ください)
まずは一般道走行時の感想です。
正直なところ、街乗りレベルのアクセル操作だと効果のほどはそこまで実感できませんでした。
元々スープラが低回転から最大トルクを発生し、アクセルを穏やかに操作してもその領域にすぐ入ってしまい、制限車速にすぐに当たってしまうため、一般道を制限速度を守って走行しているうちにはパワーアップした領域を使わずに問題なく巡行できてしまうためだと思われます。
続いて高速道路合流時の全開加速を実施してみました。
高速道路合流時のパワーアップのほどは実感することができました。
具体的にはアクセルオン時のトルクの盛り上がり具合が元々なかなか強烈ですが、さらにパワーアップしており、そのまま最大出力まで気持ちよく伸びていってくれます。
元々余裕のあるトルクのエンジンでしたが、このパワーボックスのおかげで中間加速の機敏さもより改善され、ますます高速道路でのドライブが快適な車となりましたので、非常に満足です。
私自身は実感できましたが、言葉だけの定性的な感想では伝わらない部分もあるかと思いますので、
エンジニアの端くれとして定量的に効果のほどをお届けできればと思います。
パワーチェック
パワーボックスの効果確認の測定のため、過去記事同様、岐阜県にあるラッシュモータースポーツさんにてパワーチェックを実施いただきました。
詳しい測定の手順などは過去記事をご覧いただけるとありがたいです。
測定時の様子はyoutube動画をご覧ください。
相変わらずエンジン壊れるんじゃないかというすごい音していました。
下図が測定結果となっており、
青線がトルク、赤線が計測馬力、緑線が計測用のローラを駆動するための損失を加味した修正馬力となっており、この結果を見るとパワーボックスを装着した際の私のスープラは最大馬力423PS、最大トルク623Nmを発揮していることになり、ノーマルのカタログスペックと比較すると馬力が+83PS、トルクが+123Nmアップとかなりのハイパワーカーへとパワーアップしたことが分かり、
ひそかに目標としていた新型フェアレディZ越えも果たすことができました。
(※数字隠れてしまっていて申し訳ありません)
ちなみに下図が前回測っていただいた測定結果との比較であり、
赤線が前回測定時のノーマルの馬力測定結果、青線が今回の測定結果となっており、
全領域でパワーがアップしていることがわかります。
ドッカンターボのように急にトルクがアップするような特性でないため、
逆に効果のほどを感じ取りづらいのかもしれません。
この結果から私のスープラの個体の場合、パワーバックスの取付の効果は+40PSアップということとなり、きちんと数字にも表れていたため、非常に満足です。
ただ、40PSアップということはA90型からA91型へのパワーアップ分とほぼ同じであるため、
A91型オーナーの方はすでにこのパワーアップ分の恩恵を受けているということで
少しうらやましくなりました。
まとめ
まとめです。
今回の動画ではTOM’s製のパワーボックスの取付方法とその効果のほどの測定結果をお届けしました。
ご覧いただいたように特別な工具なく、短時間で取り付けることができ、きちんとその効果も実感することができました。
またその他パワーアップの手法であるROMチューンと異なり、ECUデータそのものには干渉しないため、器具を取り外せばノーマル状態へと簡単に復元できることもこのパワーアップ手法のメリットであると考えられるため、エンジンのパワーアップのきっかけとしても非常におすすめです。
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