本記事の内容について
今回の記事では、先日トヨタ自動車より発売が開始されたレクサスのフラッグシップSUV LXの内外装紹介をお届けします。またオマケとして、オートサロンで展示されていたカスタムバージョンに関しても
あわせて外装紹介をお届けします。それではご覧ください。
展示車両概要
まずは今回紹介する展示車の概要についてです。
グレードはEXECUTIVEとなっており、運転席よりも後席を優先したVIP仕様となっています。
そのため、乗車人数は4人乗り仕様となっています。
その他のグレードとして、ノーマルグレードとオフロード走行に特化したOFFROADのグレードがあり、こちらは外観も異なり、この二つのグレードにはそれぞれ5人乗り仕様と7人乗り仕様があります。
パワートレーンにはランドクルーザーと同じV63.5Lターボエンジンが搭載されており、
415馬力、650Nmを発揮します。
こちらは先代に搭載されていた5.7Lエンジンよりも約40馬力、トルクが110Nmもアップしているため、重量級のLXでも問題ないスペックであると思われます。駆動方式はすべて4WDとなっています。
また、特徴的な点として、GA-Fプラットフォームと呼ばれるラダーフレーム構造の採用が挙げられます。ラダーフレーム構造は画像のようにハシゴ状の頑強なフレームの上にボディが搭載される構造となっており、ボディとフレームが独立しているため、たとえボディーが損傷しても走り続けることは可能であり、LXの信頼性を高めている要素のひとつです。今回TNGAシリーズとしてランクルに続いてLXにもラダーフレーム構造が採用されています。
外板色は全6色設定されています。
タフなイメージなLXのため、レッドやブルーなどの鮮やか系のカラーは設定がなく、
落ち着いた色合いのものが中心となっており、今回の展示車ではオプションカラーのマンガンラスターの車となっています。お値段165000円となかなかの値段となっており、それ以外のカラーは無償となっています。日本仕様のLXにはFsportsの設定がないため、グレードによって選択できない外板色はありません。
内装色もご覧の6色が設定されていますが、こちらはグレードによって選択肢が限られており、
左上のブラックとサンフレアブラウンはEXECUTIVEのみ設定であり、それ以外のグレードでは残りの4色が設定されているので、注意です。
また、豆知識ですが、アメリカなどではFsportsのグレードにご覧の赤内装が設定されているので、
どうしてもLXで赤内装の組み合わせがほしい方は海外からの並行輸入もありかもしれません。
値段がとんでもないことになりそうなのと、納期もとんでもないことになりそうですが。
外観紹介
まずはフロントフェイスからです。
今回のLXのフロントフェイスは従来のレクサスのスピンドルグリルとは異なり、
メッシュや網目構造が採用されておらず、太いバーのような意匠が7本も通されているような構造となっています。今までのレクサス車と一線を画すデザインですが、メッシュ模様がもたらす、スポーティなイメージをLXに求める方の方が少ないかと思いますので、このデザインが与えるタフさやおそらくRXなどには採用されない唯一有無のこのデザインが一目でLXだという印象を与えることができるので、
フラッグシップとしてふさわしい意匠だと思います。
ライトデザインに関しても迫力が増しており、消灯状態であっても、
L字のデイタイムライトのデザインがはっきりしており、後ほどライトチェックいたしますが、
発光状態でも存在感をはっきり主張するデザインとなっています。
またこのライトにはハイビームの照射範囲を緻密にコントロールするブレードスキャンアダプティブハイビームシステムが搭載されています。他のレクサス車の場合、ベースグレードにはこのアダプティブハイビームシステムがオプション設定の場合が多いですが、LXの場合は全グレード標準装備であるため、ベースグレードであってもこの迫力の目力がそのままなところがうれしいところです。
ボンネットはランクルと同様、中央がへこみ、左右が盛り上がっているデザインが採用されているため、ボディ幅としてはかなり大きい車両ですが、左右の見切りがよくなるよう工夫されているのが特徴となっています。純粋にこのデザインがかっこいいというのもありますが。
フロント下部のダクトもピアノブラック調に塗装されており、非常に質感が高く見えます。
フロントフェイス周りのブラックパーツはベースグレードとEXECUTIVEが共有であり、
OFFROADグレードでは漆黒メッキが採用されているため、また雰囲気が違って見えるかと思います。
オマケのカスタムカーはOFFROADグレードベースなので、そちらと比較いただければと思います。
LXのオフロード性能の一つの指標である最低地上高はEXECUTIVEの場合、210mm、
その他のグレードではホイールサイズによりますが、基本は200mmとなっており、余裕の最低地上高が確保されています。
改めてLXのフロントフェイスです。
フラッグシップにふさわしい迫力の外観です。
この車が後ろにつかれるとすぐ道ゆずってしまいそうですね。多分スープラ運転してるとグリルでミラーが埋まってしまいそうです。この迫力のフェイスがグレードによらず確保されているのがありがたいところかと思います。
サイドに回り込んできました。
LXのボディーサイズは全長5100mm、全幅1990mm、全高1895mm、ホイールベースが2850mmとなっています。先代と比べると、全長が+35mm、全幅が+10mm、全高が+15mmと一回り大きくなっていますが、ホイールベースだけは変更なしとなっています。
これは開発者のこだわりということで、LXのオフロード性能の指標であるアプローチアングルとデパーチャーアングルを先代同様担保するためにこだわって変更しなかったそうです。
このようなコンセプトがはっきりしている車はユーザ側からも購入の判断がしやすいかと思います。
ボディサイドのデザインはランクルのサイドのデザインと比較すると違いが分かりやすいかと思います。ランクルのサイドと比較するとLXのサイドのデザインの特徴として、Cピラーが細くデザインされているのがお分かりになるかと思います。それに対して、ランクルのCピラーは太いデザインとなっています。このCピラーの太ければ、どっしり感、細ければスポーティ感を与えやすくなっているため、
ランクルとLX同士の比較ではLXの方がピラーが細く、若干ですがルーフも垂れ下がっているため、
よりスタイリッシュに見せたい意図があるのではと推測できます。
このあたりは同じ兄弟車であるハリアーとRAV4の外観を比較してみると分かりやすいかと思います。
その他はサイドのデザインはランクルと似たデザインが採用されていますが、
レクサスの塗装の場合、ボディの抑揚がよりはっきりしており、この深みのある塗装はやはりレクサスの武器であるように思います。また、毎回SUVデザインでコメントしていますが、前後タイヤのホイールアーチはボディ同色じゃない方がSUVらしいごつさをアピールできるような気がしますがみなさんどうでしょうか。今回のLXの場合、全グレードでホイールアーチはボディ同色であるため、ブラックに変えることができません。私がマイノリティなのかもしれませんが選択肢は用意してほしかったです。
ホイールサイズはEXECUTIVEの場合、265/50R 22インチのサイズとなっており、
22インチサイズのホイールを違和感なく履きこなしているのが驚きです。
その他のグレードのホイールデザインはご覧の通りであり、特徴として、OFFROADグレードでは路面追従性を高めるため、扁平率の高い18インチホイールが装着されます。
その他装備として、サイドステップが全グレード標準装備であり、おそらく信頼性重視で格納式ではなく、一体型となっています。
リアに回り込んできました。
リアのデザインは先駆けて発売が開始されたNXに採用されていた次世代レクサスデザインが採用されており、一文字のテールライトにL字型のライトを組み合わせたデザイン、
そしてロゴではなく、文字でレクサスと明示されています。
このあたりは今後のレクサスにも順次採用されていくものかと思いますし、私個人的には好みなので、大歓迎です。
一つ残念だったのが、リアワイパーの処理ですね。
RXみたいにルーフスポイラーの裏に格納されているとよりすっきりしたデザインとなったかと思いますが、おそらくリアガラスの傾斜角の問題で実現できなかったのかと思いますが少し残念です。
ボディ下部にはごつめなパーツが取り付けられており、無骨なSUVであることを主張しています。
リアから見たサイドはこのようになっており、若干ではありますが、リアフェンダーのふくらみが見受けられ、よりどっしり感が感じられるよう工夫されたデザインとなっています。
ライトチェック
内装紹介
まずはトランクからみていきます。
トランクをあけるとこのようになっていました。
やはり高さのある車なので、トランク床の高さはそれなりにあり、荷物を持ち上げる必要がありそうですが、傷つき防止のメッキパーツが装着されていました。
ボディサイドはそこまで大きくえぐられているといった様子ではありませんが、元々の車幅が大きいため、スペースとしては問題ないかと思います。
こちらにはAC100Vのアクセサリーコンセントがあり、全グレード標準装備となっています。
このトノカバーはEXECUTIVEの専用品であり、暗くてわかりづらいですが、裏がカーペット状の防音材となっており、後席裏の防音処理とあわせて、後席とトランク間の音に対する隔壁代わりの役割を果たしています。そのためかなりしっかりしたつくりとなっていました。
トランク床下の収納としてはほぼなく、よっぽど外すことはないかと思いますが、トノカバーの収納スペースがなさそうでしたので、このことに不満を感じる方がおられるかもしれません。
また他グレードは後席を倒して、トランクスペースの拡張は可能ですが、EXECUTIVEグレードの場合、
後席を倒すことができないため、現状の容量が最大となります。
後席を倒さなくとも十分なスペースがあるため、実用上は問題ないかと思いますが、万一の場合が考えられる方は注意が必要です。
続いて運転席の内装紹介を行っていきます。
まずはドアの内張からです。
この車の内装色はサンフレアブラウンというカラーが採用されているため、非常に明るい印象を受けます。手が触れる部分はすべてソフトパッドで覆われており、質感が非常に高いです。
またこの展示車にはオプションの鷹の羽を模したオーナメントが採用されており、
日本の匠の技術を主張する日本車らしいこだわりが見受けられます。
その他のオーナメントはご覧の通りであり、EXECUTIVEではアートウッドもしくは墨色の縞杢、
それ以外のグレードでは、ブラックの縞杢かブラウンのオーナメントとなります。
ウインドウパネルの台座もピアノブラック+メッキ加飾があるなどフラッグシップらしく、隙なしの質感でした。
またこの部分にマークレビンソンのスピーカーが埋め込まれています。
こちらはEXECUTIVEには標準装備、それ以外のグレードにはオプションとなっていますが、
ヒヤリとした金属の質感がより高級感を高めてくれるので、ぜひとも装備したいオプションです。
一つ残念だったのが、NXで採用されていたドアの開閉をスイッチ操作で行うEラッチの機能が
LXには採用されていない点です。あの機能がレクサス独自の機能として採用されていれば、
ランクルとの差別化がよりできたかと思います。タフな使われ方をするであろうLXで不具合が生じた場合を考慮してだと思いますが少し残念です。
車内に乗り込みまして、続いてステアリング周りについてです。
ステアリングのデザインも昨今のレクサスデザインに則りシンプルにまとめられており、
左側にオーディオ操作系、右側に運転支援系スイッチがまとめられています。
このステアリングにも先ほど紹介したオーナメントがあしらわれており、質感高いです。
イグニッションスイッチはこの位置にあり、ランクル同様、防犯対策の指紋認証機能を備えていることがポイントです。
この展示車ではディスプレイが起動できませんでしたが、画像のように8インチのカラーディスプレイが全グレード標準装備となっており、同じく標準装備のカラーヘッドアップディスプレイと合わせて、
各種情報表示が可能となっています。
続いて見切り性能についてですが、
今ご覧いただいているのが、私の運転時の目線であり、外観紹介で説明した通り、ボンネットの左右が膨らんでいるため、左右の見切りが思ったほど悪くないことと、ナビ画面も横長となっているため、
視界の妨げになっておらず、このあと紹介するカメラ機能と組み合わせることで、大分大きな車を運転している不安感は払しょくできると思います。
続いてナビ周りについてです。
LXにはメインに12.3インチのタッチディスプレイがあり、こちらで地図情報やマルチテレインモニターと呼ばれる状態にて、車両の下部を透過したような状態で見ることができるため、いざとなれば車周辺の状態を確認しつつ、走行することが可能となっています。
その下部にはもう一つの7インチディスプレイがあり、
この画面では、ドライブモードの選択やオフロード走行時の車両の状態を確認することが可能となっています。この二つのディスプレイを併用することで、一度に様々な情報を表示・確認できることが
今回のLXのインフォテイメントシステムの特徴です。
ディスプレイの下部にはエアコン関連のスイッチとハザードスイッチが配置されています。
きちんと物理スイッチとなっていることと、トグル式のスイッチを採用したり、凹断面のスイッチ形状のため、手になじみやすい工夫が施されています。
このあたりはオフロードニーズの高い車らしいこだわりですね。
その下には様々あるLXの走行モード切替スイッチとトランスファーのローレンジ、ハイレンジの切り替えスイッチが配置されています。こちらもスイッチ形状が工夫されており、誤操作防止の処置が施されていました。
その奥にはちょっとした小物入れとその左右にシートヒータ、シートベンチレーションのスイッチ、
USBポートとシガーソケットが配置されています。これらすべて全グレード標準装備となっています。
その後ろにはごつめのシフトノブがあり、その横にパーキングブレーキやブレーキホールド、
車高調整ボタンがまとめられており、新世代のレクサスデザインらしく、それぞれの機能カテゴリごとにスイッチがまとめられており、非常に使い勝手がよさそうです。
その横のスペースはいかにもスマホが充電できそうなスペースが設けられています。
こちらはEXECUTIVE以外のグレードでは置くだけ充電用のスペースとなっていますが、
EXECUTIVEグレードの場合は後席に置くだけ充電スペースが設けられており、
電源の関係なのか前席に置くだけ充電は設置不可となっています。
そのため、このスペースがデッドスペースとなりそうなのが少し残念です。
その後ろのアームレストにもステッチが施されており、非常に質感高いです。
中も非常に深いスペースがあり、ディスクプレイヤー機能を付けるか
冷蔵庫機能をつけるかの選択式となっています。
グローブボックスに関しては標準的なサイズかなと思います。
前席シートの質感としてはレクサスエンブレムのエンボス加工が施されていたり、
シートサイドにもしっかりキルティング処理が入っていたり、
ヒーター、ベンチレーション機能完備などレクサスクオリティが発揮されまくりのシートです。
続いて後席乗り込んでいきます。
EXECUTIVEグレードであるため、後席優先ということもあり、質感がすさまじかったです。
まずはドアの内張についてです。
こちらも前席同様の質感が担保されていることに加えて、サンシェードが追加されていたりと、
より快適性がアップするよう工夫がなされていました。
マークレビンソンのスピーカーがこの位置に配置されているので、質感にかなり影響しそうです。
ステップに足をかけて乗り込んでいきます。
ご覧の通り、ステップの幅は十分ですし、滑りにくい材質が採用されているため、
グリップと併用すれば、非常に乗り込みやすい印象でした。
足元スペースに関しては、余裕の空間があり、170cmの私のドライビングポジションに合わせた状態で
足を組むことができるほどです。
正面には後席用のモニターが装着されており、こちらはEXECUTIVEには標準装備、その他のグレードにはオプションとなります。
4人乗り仕様のため、左右独立シートとなっており、
アームレストを兼ねたコンソールによって仕切られています。
このコンソールにはUSBポートやその後ろにはちょっとした小物入れ、
横置きのペットボトルホルダーが備え付けられており、
真ん中のモニターで左右後席と助手席のポジション変更などが可能となっており、
リラックスした体勢のまま各種操作が可能となっています。
下図が左の座席を倒した状態であり、かなりのリクライニング角度があるのがお分かりかと思います。
LXの全長とSUVの室内高の高さをもってなせる業だと思います。
その後ろには前席の代わりの置くだけ充電スペースがあり、
その後ろにはステッチ処理がされた質感高い小物入れが備え付けられています。
後席後ろは隔壁となっており、トランクスペースからの音の侵入を防ぐ役割を持っています。
これまでトランクと乗員スペースが仕切られていることがセダンの武器でありましたが、
このような工夫をするとSUVでも高い静粛性を兼ね備えることができるようなので、新たな高級車の形を垣間見た気がします。
改めてVIP仕様状態の左後ろ席に乗り込んでみました。
助手席を前に出しているので、足を延ばし切ったとしても、助手席に足は届かなさそうです。
リクライニング角度も相当な角度が付けられるため、だらんとした姿勢で体を預けることができ、
人をダメにしそうなほどの快適性でした。
天井が高いので圧迫感がないことが寄与しているのではと思います。
一つ残念だったのがサンルーフのガラスの開口幅が狭いです。
こちら全グレード標準装備なことはありがたいのですが、開口幅が狭いため、後席の乗員がその恩恵をあまり得られないです。おそらく強度などの問題でこの開口幅だと思いますが、
少し狭いなと感じてしまいます。
改めて、こちらLXの内装の全景です。
EXECUTIVEグレードということで後席優先の仕様ですが、前席がおろそかとなっているわけではなく、
前席の質感をよりグレードアップした後席の質感となっていることが驚きです。
デザインに関しても、新世代レクサスらしいスッキリしたボタン配置となっており、オフロード走行用の複雑な操作機構が織り込まれていることを感じさせないシンプルな操作性が非常に好印象でした。
まとめ
オマケ(JAOSカスタム仕様)
こちらは先日のオートサロンでJAOSさんより出展されていたLX OFFROADベースのカスタムカーとなっています。OFFROADベースのため、グリル周りに漆黒メッキが採用されていることと、
カスタムパーツとして、バンパー下部にプロテクターが装着されています。
またサイドに関してはオーバーフェンダーが配置されていることで、LXの迫力をより増しています。
ホイールはエンケイ製のホイールに20インチのオールテレインタイヤが採用されています。
リアに関してもフロント同様にプロテクターが装着されています。
こちらプロテクターやオーバーフェンダーはすべてCFRPで軽量化が図られていることに加えて、
アプローチアングルなどにも配慮した機能性を兼ね備えたパーツとなってるのが特徴です。
その他参考出品として、マットガードやマフラーカッターが装備されています。
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