本記事の内容について
今回の記事では、今春発売予定のクラウンセダンのマット仕様である「the LIMITED-MATTE METAL セダン」の展示イベントが、名古屋のクラウン専門店で行われておりましたので、内外装紹介と特別装備の内容を中心に紹介していきます。それでは、ご覧ください。
基本情報
クラウンセダンには、現状、上級グレードのZのみが設定されており、このZグレードをベースに特別装備が与えられています。
そして、パワートレーンには、直列4気筒2.5Lエンジンにモーターを組み合わせ、さらに変速機構を加えることで、あらゆる車速域での応答性の良い走りが実現されたマルチステージHEV仕様と、燃料電池を活用し、100%電動ドライブによるパワフルな加速感と静粛性を両立したFCEV仕様が設定されています。今回の特別仕様車では、どちらのパワートレーンも選択できることが特徴です。

マット仕様の車両価格は、まだ公開されていませんが、クラウンスポーツのマット仕様がベース価格から約60万円アップとなっていましたので、セダンのマット仕様の価格アップも、そのくらいになるのではないかと予想します。

特別装備内容
ここから、セダンマット仕様の特別装備を紹介していきます。
繰り返しとなりますが、まずはボディカラーのマットメタルについてです。
マットカラーの特徴として、メンテナンスが困難であることが挙げられます。その理由として、マット塗装の表面は凹凸であるため、汚れが付きやすく、落ちにくいという特徴があります。通常の艶のある塗装では気にならないような埃や塵が付着し、落ちにくくなっており、特にマットブラックではそれが顕著となっています。そして、オイル汚れ等のシミになってしまった汚れは、落とすことがほぼ不可能となっており、日ごろからこまめな洗車が必要となります。しかし、マット塗装では洗車機での洗車は適応していないため、手洗いする必要があるなど、より手間暇のかかる塗装となっています。その弱点に対し、こちらのマット塗装では、表面にマット塗装の手入れを楽にする特殊な表面処理が実施されていることで、洗車などのメンテナンス性が向上しているそうです。マット塗装車両維持のハードルが下がっている点は、うれしいところですね。


マット塗装の特徴として、ボディの陰影をよりはっきりとさせる効果があります。
クラウンセダンのコンセプトは王道となっており、複雑な造形で個性を際立たせるのではなく、シンプルな水平基調のデザインが随所に織り込まれていることで、その存在感を際立たせています。特に、クロスオーバーよりもさらに切れ長のライトユニットが装備されている点と、大開口のグリルが与えられていることで、ローアンドワイドな印象が強調されています。


サイドのデザインに関しても、クラウンシリーズ最長のボディサイズを最大限に生かした、非常に伸びやかなシルエットとなっており、ボディ後端まで緩やかに傾斜するルーフのラインと、フロントデザイン同様、随所に織り込まれた水平基調のラインによって、そのデザインがより強調されています。サイドに関しても、余計な装飾を極力排除したシンプルな造形によって、公私にとらわれないあらゆる場面に適したフォーマルな存在感を発揮しています。

デザイナーの方が特に着目してほしいと言われていたのが、このボディリアのボリューム感であり、水平に入ったラインが集約することで形成されたリアのボリューム感が、セダンの存在感をより際立たせているそうです。


マット仕様では、ボディの陰影がマットカラーによって強調されており、ベース仕様よりも水平基調のラインなどがより際立っていることがよくわかります。結果として、そのフォーマルさがアップしており、個人的には、これまでのクラウンマットシリーズの中で、最もセダンが似合っているように思えます。また、Bピラーのピアノブラック塗装部分や、各部のメッキ加飾は艶有りの処理となっていることで、メリハリの利いた仕立てとなっている点もポイントかと思います。
特別装備として、こちらのマットカラー仕立てのホイールも挙げられます。
ホイールデザイン自体は通常仕様と同じものとなっていますが、マット化されていることで、ボディのトーンと統一されており、通常仕様ではマットカラー仕様のホイールは与えられておらず、こだわりを感じられる装備となっています。

トランク容量は通常仕様と変わらず、セダンのため、高さ方向には制約がありますが、奥行きとしては奥まで手が届かないほどの広大な容量となっています。ゴルフバッグに関しては、HEV仕様で3個、FCEV仕様では2個載せることが可能とのことですので、トランクスルーはできないかと思われますが、実用性は十分であると言えます。

また、給電用のアクセサリーコンセントも両パワートレーンで標準装備となっており、HEV仕様では約6日間、FCEV仕様では約4日間、外部への給電が可能となっているそうです。
続いて、運転席周りになります。
通常仕様のセダンには、ブラックとブラウンの内装が用意されていますが、マット仕様ではブラック一択となっており、シックな内装仕立てとなっています。ドア内張はこのようになっており、他のクラウンシリーズと異なり、木目調のパネルが埋め込まれている点が特徴となっています。それらに加えて、手で触れる場所にはソフトパッドが用いられたりと、質感が高く、他のクラウンシリーズ以上のこだわりを感じる仕立てとなっています。マット仕様では、特に公式リリースでは言及していないようですが、木目調パネルがより黒いものとなっており、通常仕様と比較し、モノトーンにより近いカラーリングとなっています。


ステアリングはこのようになっており、ボタン配置としては、左側がディスプレイの操作系、右側に運転支援系のボタンがまとめられており、ステアリングヒーターも標準装備となっています。マット仕様では、ご覧のように通常仕様と異なり、ディンプル加工された仕立てとなっています。
こちらは、マット仕様の特別装備となっています。


ただ、特別装備としてはありがたいところですが、個人的にディンプル加工仕立てはスポーティな仕立ての車両に見合った装備であり、このマットカラーのフォーマルな仕立てとは、少しアンマッチに感じてしまいました。
予防安全装備としては、Toyota Safety Senseが全車に標準装備されており、レーダークルーズコントロールやレーントレーシングアシストなど、先進の運転支援機能が搭載されている点は通常仕様と同じです。

また、さらなる特別装備として、これまでのマット仕様同様、特別仕様車であることを示す加飾がインストルメントパネルに施され、所有満足度を満たしてくれます。


ナビ画面はこのようになっており、12.3インチのナビ画面が標準装備となっており、非常に操作感度もよいものとなっています。

ナビの下部には、エアコン操作系のスイッチやシートヒーターなどのボタンがシンプルかつ物理スイッチとしてまとめられているので、非常に操作性は良さそうでした。加えて、セダンには、シートヒーターやステアリングヒーターなどを統合で制御し、好みの設定温度となるよう車両側がオートで制御する「オールオート機能」が装備されており、より快適性が高められています。レクサス並みの快適装備を備えた車であるといえます。
その下は、木目調パネルがふんだんに使用されたセンタートンネルとなっており、縦置きの奥だけ充電スポットが配されています。また、その後ろには電子式のシフトノブが配置されており、こちらにもステアリング同様のディンプル加工処理が施されています。


その横には、蓋つきのドリンクホルダーが2つ設けられており、蓋つきとなっていることにこだわりを感じます。アームレスト内にも、小物収納スペースが設けられており、深さもそれなりのものとなっていました。

シート形状はこのようになっており、他のクラウンシリーズ同様の形状となっています。左右のサポート性の高い、立体的な形状となっていることで、包み込んでくれる形状のため、非常に快適性の高いものとなっています。

快適装備に関しては、シートヒーター、ベンチレーションを装備しているなど、隙のない仕様となっており、助手席に関しては、ご覧の通り、ヘッドレストを倒すなどのショーファー仕様にも対応可能となっています。

続いて、後席についてです。
後席ドア内張はこのようになっており、後席ドア内張に関しても前席同様の質感が担保されています。加えて、手動ではありますが、サンシェードも装備されていることで、ショーファーニーズにふさわしい質感が確保されています。

後席足元空間はご覧の通りとなっており、3,000mmのホイールベースを生かした十分なスペースが確保されています。足が組めるほどのスペースが与えられており、各種装置が集約されたアームレストによって、リアサンシェードの操作が可能となっているなど、後席快適装備は通常仕様同様、ショーファーニーズに対応可能な快適空間が確保されています。

シート形状はこのようになっており、こちらもサイドのサポート性に優れたシートとなっています。それに加えて、快適装備としてシートヒーター、ベンチレーション機能、電動でのリクライニング機能、マッサージ機能も備えているとのことで、前席以上の快適性を備えたシートとなっています。ショーファーニーズ需要に応えるためのこだわりを感じるシートとなっています。

後席周りで、マット仕様の特別装備はありません。
以上、クラウンセダンの特別仕様「the LIMITED-MATTE METAL セダン」をご紹介しました。
マット塗装の美しさを保つ特殊処理や、陰影を際立たせるデザイン、快適装備の充実など、細部までこだわり抜かれた一台でした。ハイブリッドとFCEVの両方を選べる点も魅力で、特に後席の快適性はショーファーニーズにも十分対応できる仕様となっています。フォーマルな雰囲気を一層引き立てた特別なクラウン、正式な発売情報が待ち遠しいですね。
今後も最新情報をお届けしていきますので、ぜひチャンネル登録と高評価をよろしくお願いします。ご視聴ありがとうございました。

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